対照表の強力さ

 9組での授業。「ネットが崩す公私の境」の4時間目。昨日に続いて本文の後半部分の対照表を作成させて、ガンガンと理解を進める。
 まずは昨日の対照表の埋めきっていない部分を埋め、若干の補足をする。「写本」「活版印刷」「インターネット」の著者と読者の関係を考えると、「写本」と「インターネット」は著者と読者がほぼイコールとなる。だが、「写本」においてはどちらも特権階級の人が対象であるのに対し、「インターネット」はそれがどちらも大衆になる。したがって、質が落ちるわけだ。
 その後、後半部分の対象を考えさせる。後半はもはや「写本」のことは考えなくてもいいだろう。「活版印刷」と「インターネット」の二つの間の対照関係を、今度は段落ごとにとらえさせる。対照関係を示す後は「逆接」の言葉である。そこで、逆接に注意させ、9段落と10段落、10段落と11段落、12段落と13・14段落が対照関係にあることを確認させる。その後で、それぞれの内容をキーワード単位で抜き出させ、対照関係をまとめさせた。生徒はまだこうした作業に慣れていないらしく、適切な語句を抜き出せなかったり、対照関係を意識できないようだった。普段からこうしたことはすべきだなぁ。対照表を作ると、文章の内容がいっぺんに明らかになる。
 私がガンガンと解説していく。その時に、筆者があえて言及しない2点があることを指摘する。インターネットは情報の有用性が保たれるはず、という点と、インターネットでは情報チェックする機能が働かない、という点である。その2点については、梅田望夫の主張を援用することで、インターネットの新たな特質を理解できる。そこで、『ウェブ進化論』からの抜粋を生徒に配り、上記2点についての梅田氏の主張を読み取るよう指示した。だが、これはもはや授業時間外のことである。残念ながら宿題とする。