実地に体験した人が示す、実地の知恵の力

 3組と6組での授業。3組は「材のいのち」4時間目、6組は2時間目、である。6組はそもそも様々な巡り合わせで授業時間数が少ない。よってどんどん遅れていってしまう。困ったなぁ。
 3組は第2段の読解である。最初に10分間時間を与えて、私が作成した設問について解かせる。10分間では時間が足りないのは重々承知しているが、それでも何もしないよりましであろう。その後で、生徒に解答を確認しながら、板書してまとめていく。もっと別のアプローチもあるだろうが、一つ一つの設問をつぶしていくには、やはり伝統的なこの方法が威力がある。しかし、案の定、いくつかの設問について、生徒は十分な解答ができなかった。これは、ちょっと踏み込んで自分の持っている知識と本文の表現とを比較考量して解答すべき種類の設問である。これに対しては、本文から解答を見つけるという情報処理ではなく、自分が持っている既有知識の活用が欠かせない。しかし、この点について、生徒は苦手である。もっと、既有知識を活用させるような問いを、そしてそれを解答する術を、その際の頭の働かせ方を、開発して伝えるべきだなぁ。既有知識の確認といえば、マップだなぁ。マップをガンガン使っていこうか?
 それでも何とか予定通り第2段全部の説明を終えた。このことを通して、確かに生徒は学んだだろう。しかし、既有知識の活用という新たな課題が見えてきた。これをどうしようか?
 6組は文章構成図を生徒に描かせる、という課題に取り組ませた。時間のかかる、一見地味な課題だが、ある生徒は居眠りをしていたが、それでもこの課題は文章を読み取る上での外せない基本的なものだと思う。随想という、非常に論理展開の単純な文章だからこそ、論理構造の図示という読解法の練習にはもってこいである。
 それでも生徒に板書して描かせた構成図では、「一方」「だが」という逆接の接続語によって示される論理の転換を図で表現することができていなかった。机間巡視して他の生徒のものも見てみたが、逆接を意識しているものは半数少しくらいに留まったかな。そこで、接続語と論理構造との関係をしっかり意識して説明した。次の通りである。

  • そして、(接続語なし) :順接 …… →
  • また          :並列 …… ○ ○
  • つまり、言い換えれば  :言い換え… =
  • しかし、一方、だが   :逆接 …… ←→

 このように示して、代表的な論理関係を図で表す際の基本のつなげ方を説明した。そして、逆接の接続語がある場合は、特にそれが段落間やキーワード間で使われているならば、「←→」の記号が現れてくるはずであることを説明した。
 さて、少しは理解してくれたかなぁ。次の構成図を描かせる時に確認できるだろう。