学生のリフレクションを授業の始めに紹介した

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 授業でScrapboxを本格的に使い始めて2週目。先週の授業では学生にScrapboxを設定させ、授業の終わりに授業への感想や意見・質問などを書かせた。そのリフレクションを原則全員分、コピペで自分の授業用Scrapboxに貼り付け、第2回目の授業の冒頭で学生たちに紹介した。なかなか良い感じだった。

 この方法は塩澤一洋先生がご自分の授業で行っておられることである。先生の場合は、今まではペーパーで提出させたリフレクションをScanSnapで読み取り、その画像を貼り付けて学生たちに紹介しておられた。昨年、授業見学に行ってその様を見る機会があったのだが、驚いたのはこの紹介に30〜40分くらいかけていたことだ。先生は学生からの質問の部分のみの画像を紹介し、それに1つずつ回答しておられた。こうすることで前回の授業の復習になるし、何よりも先生の信念として「一人の疑問はみんなの疑問」ということで、質問を出すことは受講している学生全員への貢献になる、という考えだ。だからこそ、その質問には一つ一つ丁寧に回答するということだった。その考えは素晴らしいと思ったが、何しろ30分くらいの時間をかけることに恐れ入った。そこまで徹底しているのか、と。本学でも学生のリフレクションを紹介している教員はいるが、このように時間をかけてしているとは思えない。

 そして塩澤先生は、今期の授業ではScrapboxでリフレクションを書かせ、それをコピペして学生に紹介していると伺った。私も今期は、せっかくリフレクションをScrapboxで書かせているのだし、コピペするのなら簡単だろうと思い、言葉指導法Ⅰの授業でこの形式を採用することにしたのだ。

 やってみて、まず準備が大変だった。読むべき学生のリフレクションは134名分。これをガーっと読み、引用すべき部分を一人一人コピペしていった。うーん、時間がかかったなぁ。2、3時間はかかっただろうか。昨日はさらに、国語の授業のためにギヴァーの質問づくりを自分でもやっていたので、合わせて5〜6時間くらいScrapboxの画面を見続けていただろう。疲れ果てた。ダークモードにしていなかったのだが、そのせいもあるかなぁ。体の芯から疲れてしまった。

 それでも、今日の授業の冒頭30〜40分間、学生のリフレクションを紹介し、一言ずつコメントを加えて行った。時にはそこから詳しく話すこともあった。学生は、中にはつまらなそうにしていた者もいたが、概ねニコニコと聞いていてくれたようだ。これから今日の分のリフレクションを読むのだが、はてさて学生がどんな感想を書いているか、楽しみである。

 このおかげで、今日予定していた内容は全部終わりきらなかった。でも、それもいいのではないのだろうか。授業はアドリブ。その場限り、1回限りのライブである。ライブなのだから、予定していたことが終わらないのは当たり前。それは次回以降で回収すれば良いことだ。何よりこのライブ感、アドリブ感を大事にしていきたい。それでこそ、わざわざ大学まで来て、しかも教室でパソコンを開き、Scrapboxの画面を出していて、私の話を聞く意味だ。ありきたりの教授内容ならばレジュメを配って、読んでおけで済んでしまう。そうではないことの意味を追究しなければ、授業は楽しく、面白くならないだろう。