学習オリエンテーション全体会

 1週間にわたって行った学習オリエンテーションも今日が最後。午後2時間をかけて全体会を行う。この会は、授業では英・数・国が中心だったが、それ以外の教科の説明の機会を設けることが主な目的である。でも、国・数・英もまた話をするのだけれどね。
 4限目ではまず教務より、高校の単位修得の概念について説明される。相変わらず分かりにくい概念だ。次に生物・公民・家庭から説明がされる。それぞれは非常に丁寧に説明をされているのだが、途中から暖房が入ったせいか、生徒の中で1、2人居眠りを始めた者がいた。かちん、ときた。これが後の伏線となる。そして、進路指導より入学段階での進路の考え方について説明される。ここまででほぼ予定通りの進行である。
 5限目はまず国・数・英の順で教科の説明がされる。国語は私が説明をした。まず国語という教科はコスト・パフォーマンスが極めて低いということを話する。よって、今から根気強くしっかりと勉強することを強調する。そして、次の3点について説明する。
 まず1点は、辞書をきちんと引くこと。これには授業前の準備をしっかりして欲しいという意味も込めている。辞書を引かなければ自分の使える言葉にならない。
 2点目は、読書をすること。今年は国語科の1年生担当と話をして、ついに現代文での授業始5分間読書を実施することにした。それが生半可な取り組みではないのだということを強調する。「朝の読書」が広まっている今、あまりこのことは重要ではないかも知れないが、一斉読書の成否の鍵の一つは、これが本気なのだということを身に染みさせることである。読書をさせるというと、単に教員の指導放棄と受け取られかねない節がある。そうではなく、これは周到に計画され、準備された「教育活動」なのだということを周知させなければならない。そのためには教員が本気で取り組む姿勢を示してやらなければならないのである。そのことを話しているうちに、先の居眠りをした生徒の姿が重なってきて、いつになく気合いが入ってしまった。えらく強い調子で語ってしまいました。うーん、私もまだまだ若い。生徒の名誉のために言っておくと、居眠りしかけたのは本当にほんの数人です。卒業生の時よりははるかに少ないよ。
 3点目は、古典文法は始めが肝心、ということである。古典文法は1年生でほぼ全部を教える。古典文法を苦手にする者は多いわけだが、古典文法を理解する要は、これからすぐに勉強する用言の活用にある。用言の活用をマスターすることにより、古文の単語の切れ目を理解できる。そうすれば助動詞や助詞の区別もつく。さらに、助動詞の活用は用言の活用の仕方と似ているものが多い。というわけで、解釈のためには助動詞・助詞の方が重要性は高いが、理解度を増すためには用言の活用をマスターすることが必須なのだ。というわけで、「今が肝心」ということを強調する。
 気合いが入ったせいか、生徒は神妙な面持ちで話を聞いていた。いつもは私は場をリラックスさせる役割を果たすことが多い。だが、今回はそれまでに多少雰囲気がだらけてきたからね。それを正すためにも、私は気合いを入れ直しました。普段と違うことをするのは疲れる。しかし、教員の資質の一つに、場の流れを読んで対応する、ということがあると思う。そして、それはとても大切なことだ。自分のスタイルをまったく変えないのではなく、場の流れに応じて必要な役割を果たす。これが重要である。

生徒から質問が出た

 今回の全体会では、我々の説明の後に生徒から質問を受けた。そうしたら、我が4組の生徒が芸術の書道について質問をした。書道で指定された筆はどうしても買わなければならないのか、という質問である。彼は自分でも筆を持っているらしい。そして、書道の教材費は他の美術や音楽よりも高めである。なかなか鋭い質問である。それに対する書道の講師の先生の解答も鋭いものであった。先生は200本くらいの筆を使い分けるそうだ。そして、筆が違えば書き味が違うということである。書道科選定の筆は質の高いものを安く仕入れているそうで、ぜひそれを買って欲しい、また他の筆があれば持って来て欲しい、ということであった。いやぁ、なかなか聞き応えのある問答だった。
 ところで、私は今年、書道部の顧問となった。そうか、私も新潟高校選定筆を購入しようかな。

現代文の授業

 午前中は2コマ授業があった。どれも現代文の説明と授業をする。昨日と同じく、現代文の授業についての説明をし、その後で『羅生門』の朗読CDを聴かせて、感想を書かせる。どんな感想を持っただろうか。我が4組の生徒は、学級日誌Part2に「羅生門は面白そうだ」と書いていた。よしよし。その調子だ。面白そう、という気持ちが勉強の推進力だからね。

長男が入院する

 風邪でどうも調子の悪かった長男がとうとう入院してしまった。扁桃腺とリンパ腺が腫れているらしい。そのため、うまくしゃべれない。食事も喉を通らない。これは入院しなければね。というわけで、今日の高校の歓送迎会はやむなくキャンセルした。お世話になった先生方がたくさんおられるのだが、残念である。ともあれ、息子が早くよくなってくれることを祈る。普段はうるさい奴だが、その彼が家からいなくなってしまうのはやはり痛切に寂しい。