大鏡「花山院の出家」の授業

 8組での授業。大鏡に入っていく。「花山院の出家」である。皮肉にも、2年生もこの時期にこの作品を取り上げるという。3年が使っている教科書は3年次で取り上げるように編集されているからね。仕方がないことだが。
 さて、試験後すぐに内容に踏み込んでいくのも厳しいだろうし、何より生徒自身がこの文章をまっさらな状態で読んで、敬語や文法の知識を駆使してある程度の意味を取り、解釈して欲しいと思っている。そこで『学び合い』である。(^_^) 以下のような授業を展開した。

  1. 本文を音読する
  2. 本文に次のことを調べて書き込むプリントを用意しておき、配布する
    • 敬語に線を引き、敬語の種類を調べさせる
    • 重要助動詞や助詞に印を付けておき、それを文法的に説明させる
    • 重要古語に傍線を引いておき、それの意味を調べさせる
  3. プリントの問題を解くのに、何をみても良い。誰と相談しても良い。
  4. この授業の終了10分前に、プリントで調べるよう指示してあることについての小テストを行う
    • 全員の平均点が80%になるようにせよ
    • 80%に満たなかったら、再テストをする
    • 平均点を80%にするためには、分からない者を分かるようにしてやればよいので、先に分かった者は分からない者を教えるように。分からない者は「分からない」と助けを求めるように。

 このように指示をして生徒に活動を開始させた。途端に席を立って友人と2人で問題に取り組む者がいたり、机を寄せて2人で相談する者がいたりした。しばらくしてから席を立って友人に助けを求める者もいた。また、前後で相談を始める者もいた。予想よりは個人で作業に取り組む生徒が多かったが、それでも結構活発に教室内を動いたり、友人同士で教え合ったりして学習を進めていた。
 その過程で、助動詞「けり」の意味を問う問題において、文章の前後関係からそれが「詠嘆」だと気づいたりしたグループがあった。グループで教え合う生徒たちの中では、話し合いの中で気づきが生まれた者があったようだ。
 結局、残り10分になってもほとんどの生徒がプリント問題をやり終えられなかったので、時間を延長し、小テストは次回にお預け、となった。良いだろう。小テストをすることが目的なのではなく、プリントを使って自分で敬語や文法に自覚的になり、自分で調べて問題を解決することが目的なのだから。
 古典の場合、このような文法問題でも『学び合い』の手法は活かせるのだと分かった。もちろん心情等の読み取りでも使えますけどね。