ロジックツリーを用いた評論の構造分析の授業
9組の授業。「『間』の感覚」の2時間目である。前回は個人作業でこの文章の構造を、ロジックツリーを用いて分析させた。2時間目の今回は、ロジックツリー作りをグループで行わせるものである。
自分でやってみてよく分かったが、この文章におけるロジックツリー作りは何度も何度も試行錯誤をくり返しながら、少しずつ良いものへと改良することが不可欠である。ロジックツリーは、一番左側に位置するルートとなるボックスと、一番右側に位置する最も具体的な内容のボックスとをいかにしてつなぐか、ここが思案の中心部分となる。そして、これを考えることはきわめて論理的思考力を要求される。具体的内容をいくつかまとめ上げて、抽象的項目を設定するのである。それを、問題提起と具体的内容との全体像を勘案しながら作り上げていくことになる。これはグループ作業で、生徒同士が様々にアイディアを出しながら作り上げていくのが一番良い。
そこで、グループ作業でロジックツリーを作る授業を展開するため、以下のような工夫をした。
これを、次のような時間配分で行った。
- 作業の説明(10分)
- 第1のグループ作業(20分)
- 他グループの作業状況を確認させる「偵察タイム」(5分)
- 第2のグループ作業(15分)
今日は変則の時程のため50分間の授業で行った。次の写真はその授業の様子である。
第1のグループ作業の様子。このグループは、最初から台紙に付箋を貼るのではなく、机の上に仮止めして考えている。なかなかやるね。
このグループは、まずは別の紙で配置をじっくり考えている。付箋で考えるのは後からやるらしい。
「偵察タイム」の様子。生徒はわいわいと他のグループのやり方を興味深く見ていた。
第2のグループ作業の様子。最初のグループ作業時よりもさらに生徒の動きが活発になる。このグループは全員が立ったままで作業に没頭している。
このグループは台紙の大きさを最初に配布したものの2倍にして、ロジックツリーの各ボックスを展開している。
残念ながら50分間では作業時間が短すぎた。大半のグループがまだ作業を続けたがっていた。
いやぁ、この授業はぜひ各グループで話し合われた内容を録音しておきたいところだった。生徒たちはグループ内での話し合いで多様な「気づき」と認識の変換を行っていた。また、付箋を配置したりその関係を考えたりするうちに新たな考えが浮かぶとそれをメンバーに提案してみたり、一度配置し終えたロジックツリーをグループで話し合ってもう一度見直して配置し直したり、様々な学習活動が展開されていた。
ロジックツリーを構成する要素のうち、本文に明確に書いてある内容だけを事前に用意し、それ以外の要素を考えて加えながら、全体を配置するという作業だったが、思った以上に生徒の試行錯誤と論理的思考を促すことができたようだ。
次回は同様のことをクラス全体でやってみようと思う。