「虚ろなまなざし」の授業

 台風の脅威が迫り来る中、我が校は通常授業を行う。生徒は6割ほどの出席率だ。今日はJRが始発から運休している。あるクラスでは半分以上の生徒が来ていない。
 しかし、9組の現代文では3分の2程度の生徒がいるので、少々進度を遅らせながら、予定通りの授業を行う。
 昨日より岡真理氏の「虚ろなまなざし」という評論を読んでいる。そんなに難しい言葉は使っていないのだが、元本からの切り取られ方の問題なのか、論理展開が結構ねじくれている。そこで、生徒にファックス原紙を配り、各自で工夫をして文章構成図を書くよう指示した。昨日は音読の後でその文章構成図を書かせ、今日はその続きである。
 生徒は自分なりに文章構造を読みほぐして、それを図的に表している。それを見ているのだが、なかなか感心させられる作品が多い。そこで、今日は人数が少ないものの、ほぼ完成した文章構成図を各自の机上に置かせたまま、自由に席を立って友人の作品を見に行かせた。十人十色、さまざまなまとめ方があるが、私が予想したような、単純な右から左への展開だけでなく、立体的に構成したり、2×2の4象限に構成をまとめてみたり、非常に意欲的なまとめ方をする者が多かった。実に素晴らしい。
 このクラスは最近どうも反応が鈍く、こちらがいろいろ働きかけても白けた感じしか醸し出さなかった。しかし、この課題には昨日当初から大変意欲的で、友人のものを見に行かせた時も、大変熱心に見ていた。いやぁ、大したものだ。これら生徒がまとめた図は後でこのブログにアップできるようにしよう。
 思えば、1年の頃から文章構成を図示するようには指導してきた。特に昨年はその図による分析にこだわり、かなりの時間を使って評論の図示化をさせた。それらの経験がこのように活かされてきたのだろうか。非常に嬉しいことである。