教育実習生の授業

今日は実習生の授業の最終日であった。私のクラスでの古典である。更級日記「源氏の五十余巻」の3時間目。
今日は青陵祭前日のため、50分間の短縮授業であった。そのために、口語訳はいい調子で進んでいたのだが、最後まで訳し終えることはできなかった。というより、実習生が昨日の研究授業と同じように、最後数行を残した段階でこの教材の主題について考えさせる作業に入ってしまった。残り10数分あったので、このまま全部訳し終えてしまった方が良かったのではないかと思う。まあ、本人が判断をして、主題を考えさせる作業へと入ったので、仕方がないことではある。
しかし、やはり全文を訳し終えなければ、特に「いとはかなくあさまし。」の部分まで訳し終えなければ、この文章が執筆時点での見解を踏まえて書かれたものであることを考えさせるには、そして生徒に答えさせるには、やはり無理があろう。事実、生徒の何人かに指名していたが、十分な答えではなかった。手札をほとんど与えずにカードゲームをやろうとするようなものである。やはり、孝標女の心情を訳出している最中に確認しつつ口語訳を最後まで終え、その後で主題について考えさせることが必要であろう。3時間で扱うにはやや長すぎる教材であったか。これは、教材を選んだ私の責任である。
ともあれ、一応これで教育実習生の授業は終わった。果たして授業をすることは楽しかっただろうか? 楽しくなければ、また生徒に伝えたいと思うものを持たなければ、楽しい授業はできまい。