現代文

2クラスでディベート授業の2時間目を終えた。2時間目に至るまでの期間で、「勝つための方策を考えてくるように」と伝えておいた。残念ながら生徒のほとんどはシナリオをそのまま読んでいるだけが多かった。でも、中には全くシナリオに頼らずに自分の立論で論を展開し、全勝した者もいた。また、身振りを入れるようにとの指示や、質疑も自由に質問していいという示唆に反応して、早速自分のスピーチに取り入れる者もいた。

3試合を行い、一応肯定側・否定側・ジャッジと全ての役割を体験させたことになる。生徒から感想を求めたが、「大変だった」という意見ももちろんあるものの、「楽しかった」「大変だけれどおもしろかった」「次は自分の調べた立論で戦いたい」などという肯定的な意見が予想以上に多かった。これには勇気づけられる。生徒はディベートを柔軟に受け入れてくれたと思う。

ディベートは様々な能力を伸ばすことができる、非常に優れた指導法だ。ゲームという形を通して、話を聞く力・メモを取る力・わかりやすく話す力・相手を説得する力などの伸長が見込まれる。また、論題に対する調査・研究を組み込めば、学び方を学ぶこともできるし、それらの過程の中で論理的思考力も育成できるだろう。ただし、これらの力を伸ばそうと思うならば、ディベートに本格的に取り組まなければならない。少なくとも、今回の2時間のみで終わらせていい話ではない。

幸い、一緒に1年生を担当している同僚からは、今回のディベート授業を踏まえて、さらに発展させたことを後期に行おうと言ってもらっている。私としては、ぜひそうしてもらいたい。さらにディベートを行うことでもいいだろうし、調べ学習を含めたレポート作成でもいい。そうした課題を設定することによって、本校の生徒はその持てる真の能力をのびのびと発揮させることができるだろう。