抑揚形の一歩手前まで……

 10組と8組での授業。10組は夏休み前最後の授業である。しかし、「先従隗始」の読みを終えただけである。まあやむ無しと、淡々と口語訳を進める。今までは生徒に音読練習をさせている間に本文の白文を黒板に板書し、その白文に注を書き加える形で授業を行っていた。だが、今回からそれをやめてみる。時間がかかってしまうのと、生徒自身のメモ力を鍛えるためである。白文に注を加えるやり方は確かに分かりやすいと思うが、その分時間がかかる。初めにはいいだろうが、毎回となるとどうだろう。そろそろ切り替え時期かな、と思った。そのおかげか、順調に訳は進んでいき、いよいよ最大の山場の「抑揚形」にさしかかったところで時間切れとなった。惜しい!
 8組はどうもよく分からなかった。前に座っている生徒のノートを見て、そのノートの訳が変更されているところまでが前回の授業で終わったところだろうと思い、その次から授業を始めた。しかし、生徒はきれいに訳すのだ。まるで私が訳したみたいに。よく予習しているとか、あんちょこを見ているとか、そういうレベルではなくて私の訳のように訳すのである。それで、実は前の授業でもっと先まで進んでいたのかと思い、口語訳をどんどん進めてしまった。果たしてあれでよかったのかな? ちゃんと生徒に確認すればよかったのにね、私も。というわけで、こちらは抑揚形をほぼ説明し終えたところで終わった。うーん、でもこのクラスはもう1時間あるのだ。次はどうする?