リレー物語の創作

 1組での授業。「無常ということ」をやろうとしているのだが、これの要約をさせるにあたって、頭脳を十分に柔軟にしておいて欲しいと思い、リレー物語をさせることにした。まあ、結果的にはこれに1時間まるまるかかることになった。多少狙っていたところもあるけれどね。
 リレー物語の創作は私のお得意の授業ネタである。元ネタは筑摩書房の『国語通信』に過去に紹介されていた実践である。私は指導主事時代にそれをメールを使ってリレーさせる形にして研修に来られた先生方に紹介した。これを紹介した時は等しく盛り上がりを見せたものだ。
 ちょうど今、『作文で「本当の学力」が身につく』という本を読んでおり、作文の力に少し注目している時でもあって、このリレー物語を本来の紙ベースの形で実施してみようと思い立ったのだ。
 やり方はとっても簡単。

  1. 6人ぐらいのグループを組ませる
  2. 各自に物語の冒頭部分を創作させ、プリントに書く
  3. そのプリントを順に次の者に渡し、物語の続きを書く
  4. これを繰り返し、6回目には冒頭部分の作者に戻して、物語の結末とタイトルを書かせる
  5. みんなで作品を楽しみましょう(^_^)

 それぞれの持ち時間は5分弱とした。始めてみると、教員にメールを使ってやらせた時よりもずっと生徒は乗ってきた。次々に物語ができあがり、書いている途中でしばしば笑いがあちこちから漏れる。だんだんストーリーが進んでくると、もう笑いを止めることは難しい。そして、結末を書かせるために冒頭部分の作者に戻した時は大きな笑いが起こり、すぐ後で続きを真剣に創作していた。
 自然と生徒から、全員の分を読みたい、という声が上がったので、各自の作品を机の上に置かせ、自由に席を立って読みに行かせた。生徒は次々に友人の作品を読んで、大笑いしたりストーリーについて話し合ったりしていた。
 うーん、これは予想以上の効果である。これほど交流を巻き起こす実践だとは思わなかった。そして、せっかくできた作品はこれだけではもったいない。明日も授業があるので、何かしら考えてみよう。