『山月記』の授業

連休の谷間、今日から現代文は中島敦の『山月記』に入る。
2年生の主要小説教材の1つだ。これをどのように扱うか、思案のしどころである。しかし、あくまで「小説を読むための読み方を教えること」、そして「小説を読むことによって自分の頭で考えること」を実現していきたい。
その1つ目として、まずは小説全文を一斉に音読させた。39人の生徒がいるクラスだったが、全員で声を揃えて音読させた(もちろん私も一緒に。読まない生徒もいたが)。20分程かかったが、流れるようにすらすらと読めた。これだけで大変に気持ちいいものだ。
これは、『齋藤孝の音読破5 山月記』を参考にした。

斎藤孝の音読破〈5〉山月記 (齋藤孝の音読破 5)

斎藤孝の音読破〈5〉山月記 (齋藤孝の音読破 5)

この本は中島敦の作品を掲載し、漢字にルビを振り、難解語には脇註を施してあるもので、小学生に音読させるためのテキストらしい。小学生が読むのだから、新潟高校生が音読しないでどうする? という無茶苦茶な理屈で、読ませた。


2つ目として、小説の展開の型を示し、『山月記』の場合はどの場面がこの型に当てはまるかを問うた。『山月記』では導入部と終結部がわかりやすいが、展開部のクライマックスの部分がわかりにくいことを話した。