古典の授業の進め方

今採用している古典の授業の進め方は、1文ずつを生徒に訳させ、その後で私が文法的なことを説明しながら訳し直す、というスタイルを取っている。しかし、このスタイルは生徒の古典の力を少しも伸ばすことができないだろう。生徒に訳させると、彼らは完璧な答えを返すものがほとんどだ。これは、おそらく教科書ガイドや塾などでの訳をそのまま写しているのだろう。そして授業中でも、私の訳をそのまま写すだけである。これでは、書写の力や、私の訳を聞き漏らすまいとする集中力を高める効果はあっても、文法的知識を背景に、古典を自力で訳しながら読むという力は全く育たないだろう。困ったものだ。
そこで、今、古典の授業の方法を根本的に見直そうと考えている。生徒には「自宅で訳してくるな」と言おうと思う。授業中で訳せ、ということだ。むしろ、文法的なことを調べたり、文法の演習を宿題で出したりして文法の知識を持たせ、その上で重要な部分だけを生徒に訳させ、どうでもいいところは私が訳していく、というやり方はどうだろうか。文法の知識を駆使して、自力でだいたいの意味を取る、という練習を、普段の授業でも行う、ということだ。