田中好子さんを悼む

 昨日は田中好子さんの通夜、今日は葬儀があった。それらの報道を見聞きして、新たに悲しみに誘われる。故人の温かな人柄が偲ばれて、それでもその命を奪われていく悲しみが伝わってくる。
 元キャンディーズの2人の言葉が悲痛だ。彼ら3人は解散した後もずっと仲が良く、よく3人で集まっていたそうだ。また、キャンディーズ時代も3人は一緒に行動することを望んだという。たいがいのグループはプライベートの時は別々にいることを望むものだが、彼らは1つの部屋にいることを望んだそうだ。その親しい交友を重ねた人が先立っていく。残された2人の悲しみは深いだろうなぁ。「私たちは永遠にキャンディーズだからね」と美樹さんは遺影に語りかけていた。その思いは切実なものだろう。
 また、昨日のニュースで流された田中好子さんの肉声のメッセージは心を打つものだった。東日本大震災の被害者たちを悼む思いを述べていた。自分自身が体をガンに既にむしばまれていて、途中で息苦しくなってきたと述べるほどである。それでも、震災で亡くなった方々への思いを述べている。本当に優しい方だったのだ。その笑顔にふさわしく。
 キャンディーズの2人への感謝の気持ち、女優業への飽くなき望み、そして夫への言葉、それらの一つ一つに彼女の人柄が偲ばれた。
 YouTubeキャンディーズの映像を再び何本か見た。若い彼女のはつらつとした動き、体、笑顔。それらが既に火葬され、煙となり、もはやこの世にはない。本当に惜しい人を亡くしたと思う。悲しい。