電子掲示板を活用して読書レポートを投稿させている


 電子掲示板を活用した読書レポートはかれこれ4年にわたって行わせている。今まではこの電子掲示板を活用するのは生徒の選択に任せていた。しかし、今回は違う。生徒全員に電子掲示板を通してレポートを提出するよう求めている。その理由は、そもそも何故電子掲示板を使うのか、にかかっている。私がこの実践で行いたいのは、生徒が友人の読書レポートを読むことで自分自身の考えを見直し、発展させ、新たな視点を獲得するためである。自分が本を読んで、それをまとめるだけではなく、さらに同じ本を読んだ他の生徒の視点を知ることによって、自己の認識を変容させるためである。それならば、生徒全員が他の生徒の読書レポートを読むことのできる環境が必要になる。そのために、全員に電子掲示板を使ってレポートを提出するよう求めたのだ。
 今回、生徒に読ませている本は以下の4冊。このうち1冊を選ばせている。なお、今回の統一テーマは「国際理解」である。一部の生徒が中国に交流に行ったり、短期留学生が本校を訪れたりした、この時期に合わせてのテーマ選択である。

異文化理解 (岩波新書)

異文化理解 (岩波新書)

旅に出よう――世界にはいろんな生き方があふれてる (岩波ジュニア新書)

旅に出よう――世界にはいろんな生き方があふれてる (岩波ジュニア新書)

国際協力と平和を考える50話 (岩波ジュニア新書)

国際協力と平和を考える50話 (岩波ジュニア新書)

世界を知る力 (PHP新書)

世界を知る力 (PHP新書)

 今回はこの1冊ずつに電子掲示板を設置し、生徒は自分が読んだ本の掲示板に自分の読書レポートを書き込むようにさせている。本日が投稿締切日なのだが、大半の生徒が投稿してくれた。生徒はよく取り組んでくれた。
 今後は、自分が読んだ本の電子掲示板を生徒に訪れさせ、他の生徒のレポートを読んでコメントを書かせる予定である。さらに、そのコメントを読んだり、他の生徒のレポートを読んで、自分の最初に書き込んだ時の意見が変容したかどうかを、自分の最初のレポートにコメントとして書き込ませるつもりだ。こうすることで、生徒は他人の意見を知ることで自己の認識を新たにする機会を得ることができると思う。