桃源郷への道遠し……

 さて、今日は2組と8組の古典があった。どちらも「桃花源記」のほぼ同じ箇所、漁人が桃源郷の村人たちにもてなされる場面からスタートする。ここには「不復〜」が2箇所出てくる。それぞれ否定の強調と部分否定で解釈すべきものだ。そこで、その2箇所を指摘させ、「不復〜」の2つの訳し方を確認し、それぞれをどちらで訳すべきか考えさせた。これは10組も含めて3クラス全てで聞いてみたのだが、指名した生徒は最初の箇所をことごとく間違えた。その箇所だけを見ていると部分否定で訳せそうな気がするのだろうが、文脈を考えれば否定の強調の方が適切である。まだ前後の流れ=文脈で判断するということがうまくできないのだろうな。それにしても3クラス全てで間違うとは…。
 続いて今日扱った箇所は人物たちの心理面を考えるのに非常に適する箇所が多くある。

  1. 漁人が外の世界での王朝の交代等を教えた時、村人たちがため息をついたのは何故か?
  2. 村人が漁人に、「不足為外人道也」とこの村のことを外部の人に言うなと禁じたのは何故か?
  3. 漁人が帰る際に、至る所に目印を付けていったのは何故か?
  4. 漁人は村を出てから最初にその地方を監督する長官のところへ行ったのは何故か?

 これらの質問は全て、この「桃花源記」の主題を理解するのに必要なものばかりである。ここはじっくり時間をかけて議論させたいところだが、試験までの残り時間が少なく、やや足早になってしまった。
 しかし、まだその後に重要な質問がいくつかある。

  1. 長官たちが桃源郷への道を見つけることができなかったのは何故か?(漁人が目印を付けておいたのに)
  2. 劉子驥という人物が「喜んで」桃源郷を訪れようとしたのは何故か? 
  3. 彼以降、桃源郷訪れようとする人がいないとはどういうことか?

 このblogを見ている生徒はいるかなぁ? 見ていたら、これらの問いにどう答えるか考えておいて欲しい。それにしても、劉子驥が桃源郷に着けなかったのは何故なのかなぁ?