尾瀬に行って参りました!

 4・5日と我がクラス、理数科10組を引率して尾瀬に行って参りました。そして、無事生還できました! いやはや本当に「生還」という言葉が適切なほど、私にとっては過酷な、しかし印象深い2日間だった。

1日目(8月4日)

 朝5時に起床し、準備をそそくさとして学校へ。生徒は7時20分には全員揃った。私の想定より5分早い。いやいや、立派なものだ。バスに全員が乗って、一路尾瀬へ。3時間半の行程である。新潟から関越道を通り、沼津で降りて、あとは一般道で戸倉まで行く。そこでマイクロバスに乗り換え、鳩待峠まで行く。12時。そこで1日先に行っていた9組と再会する。我々はそそくさと食事を取り、いざ尾瀬へ! 私は3年前に往復の引率のみをしたことがある。その時はこの鳩待峠までしか来ていなかったが、尾瀬に実際に入るの初めてだ。期待と、果たして歩ききれるかの不安とともに、急な斜面を降りていく。
 尾瀬では35人が3班に分かれ、それぞれ本校の生物教師が先導をして進んでいく。最初の急坂を下りていく。途中途中で生物の先生が植物の説明をしたり、植生や林の様子などの説明をしてくれる。非常に勉強になる。専門的なことはよく分からないが、それでもただ歩き回るだけではなく、生態系の実態をこの目で見ることができて面白い。途中で巨大な水芭蕉の群生に出会う。ここから本格的な尾瀬の始まりである。
 林を抜け、尾瀬の湿地帯へ。我が10組の日程は極めて天候に恵まれた。9組は、着いた時は土砂降りだったそうだ。我々は2日間ずっと雨具を使わなかった。それどころか気温は低い(22度!)ものの日差しは強く、体感温度はけっこう暑かった。その尾瀬湿原を歩く歩く。延々10km、およそ3時間。途中で生徒たちは植物のサイズを測ったり、水を採取したり、気温と水温を測ったりした。それを数地点で行い、帰還後にレポートにまとめるのである。私はと言えば、様々な装備を詰め込んだ重いリュックを背負い、彼らの後にひたすらついていく。この日は、この行程がしんどかった。久しぶりの長距離歩行である。しかも重いリュックを背負ってである。さらに、携帯していった水の量が気になり、あまり水分補給をこまめにしなかったので、東電小屋あたりで心臓がバクバクし始めた。
 ともあれ、何とか宿である元湯山荘に到着した。宿の夕食に出たお吸い物の塩分がうまかったこと! この夜は外に出てホタル&星空観察である。この日もからりと晴れ、夜空にはどんどん星が広がり始めた。私はメガネの度数が合わず、星を存分に観察できなかったが、それでも久しぶりに天の川を見た。小さな星も数多く見える。これは素晴らしい夜空だったろうな。ホタルも3匹ほど現れた。よかったよかった。宿に戻った後、生徒を部屋に押し込んで、我々は慰労会。私はこの時には酒が飲めないので、余り話しに加われないのだが、いやはや生物の先生たちの話しは面白い。動物の話しやらアフリカの話しやらで非常に面白い話が聞けた。我々も早めに眠る。夜中に数回目をさましたが、それでもよく眠れた方だ。そりゃそうさ、あれだけ疲れればね。

2日目(8月5日)

 朝5時に起床。水分をしっかり準備する。朝食がこれまたおいしい。6時45分に宿を出た。
 見晴までの道、朝露に浮き出る蜘蛛の巣が美しい。朝靄の立つ林もなかなかである。私はつい、こうした風景の美しさに見とれてしまう。植物の個々の姿になかなか目がいかないのが哀しい。といっても、木道が腐っている箇所があり、ずっと視線を下にやっていることが多く、なかなか辺りを見回せないのだ。
 竜宮を過ぎる。水の流れが地面の下に潜り込み、かなり離れた場所でわき出てくる。そこで昔の人は水が竜宮に行ったのだと考えて、ここを竜宮と名づけたという。想像力豊かな話である。牛首を通り、山ノ鼻へ。私はたびたび遅れがちになりながら、何とか生徒たちについていった。気温は低いのだが日差しがカンカンに照らし、今日も体感温度は暑い。
 山ノ鼻では、生徒は作業学習をする。尾瀬の植物や生物などを観察してスケッチするのである。その間、我々は休憩をする。いやはや、ここまで歩くのも疲れる。しかし、この心地よい休憩もつかの間、今日最大の難所へと向かう。
 山ノ鼻から鳩待峠までの3.3kmの道である。昨日、この道は急な下り坂だった。ということは、今日は登り坂ということになる。恐れてはいたのだが、私の想像以上に厳しい坂だった。木道のアップダウン、木で作った階段が延々と続く。それまでは擦れ違う登山客には必ず挨拶をしていたのだが、しまいには挨拶の声が出なくなってしまった。そして岩の階段が続く。段差は30cmくらいあるんじゃないかな。膝に手を添えて、膝を押しながらでないと体を持ち上げることができない。歩き続けること40分くらいだろうか、ようやく鳩待峠に到着する。いやはや、心臓破りの坂である。最後の最後にあの急坂があるのはきついなぁ。しかし、無事生還した!
 昼食におにぎりをほおばり、おみやげを買って、マイクロバスに分乗する。戸倉で大型バスに乗り換え、一路新潟へ。しかし、ここで最後の関門が待っていた。毎回このバスでは映画を見せている。行きでは「プロジェクトX」の屋久島や佐渡の朱鷺の話を映して非常に興味深かった。前回引率した時も同じものを見たのだが、今回も興味深く、感動した。しかし、帰りは「ジュラシック・パーク」を見せたのである。私はこの映画はこれで3回目だが、前回の引率の時にこれを見ていた途中で具合が悪くなってしまった。疲れた中で刺激が強すぎるのだね。今回は見たくなかったのだが、残念ながら始まってしまったので、アイマスクをして映像を観ないようにしていた。しかし、音だけで場面を思い出すことができる。そのためにあまり休むことができなかった。
 こうして2日間の全行程が終わり、16時40分頃に学校に戻ってきた。出迎えてくれた教頭およびU先生に感謝!