教師が設定した学びの場ではなく……

 私は「授業づくりネットワーク」のメールマガジン「学びのしかけプロジェクト」を講読している。このメルマガは毎回非常に興味深い内容で、楽しみにしているものだ。
 今日配信されたメルマガで、山形県寒河江市立柴橋小学校の増川秀一さんが執筆された以下の記述が、激しく私の心を打った。

 日頃の授業でのS君の様子を観察していると、自分の考えを発表する場
面や、ペアで協力しながら進める授業場面では、前向きに取り組む姿が多
く見られることがわかりました。反面、自分の席で教科書の要点をノート
に整理したり、黒板に書かれた内容を写したりする授業場面では、手遊び
をしていることの多いことが分かりました。そのことから、S君を授業に
参加させるには、考えを発表する場や友達との関わりを持つことのできる
活動的な要素を授業に取り入れることが大切であることを感じました。つ
まり、教師の設定した学びの場にS君を当てはめるのではなく、S君に合
った学びの場づくりを行うという発想への転換です。その学びの場づくり
のヒントになるものとして、私は国際理解教育セミナーで紹介していただ
いたアクティビティに目を向けたわけです。

 この「教師の設定した学びの場にS君を当てはめるのではなく、S君にあった学びの場づくりを行うという発想への転換」という箇所は、先日私が東京の喫茶店で考えついた視点に通じるものがある。それは、

教師が場を設定しただけでは活動は活性化されない。活動を活性化するには、その活動が生徒にとって価値のあるものでなければならない

という視点である。
 私が追究しようとしていることと共鳴するようなことが早速立ち現れてきて、とても嬉しい。
 この「学びのしかけプロジェクト」メルマガは非常に有益である。皆さんにお勧めしたい。