「児のそら寝」の授業

 8組と2組での授業。2組は、今日古典があることが伝わっていなかったらしく、生徒は準備をしていなかった。その違いはあるものの、どちらもほぼ同じ内容で授業をした。
 8組では、まずは授業ノートのチェックから始める。先日のオリエンテーションで授業ノート、予習ノートの作り方をくどいほど説明し、実際にノートを作らせた。そしてそれを完成させることを宿題としておいた。そこで、生徒に机の上にノートを広げさせ、私が一人一人見回ってノートをチェックした。もちろん自分なりのアレンジがあるべきなのだが、最初は私が指示した方法をきちんと守らせたい。アレンジはそれから。1人だけやって来ない者がいて、「おお、なかなかいい度胸だなぁ。名簿に大きく『×』を付けとくね」などとからかいつつ、見て回る。
 次に、「児のそら寝」の出典である宇治拾遺物語について簡単にまとめる。便覧を開かせ、ラインを引かせて、板書してまとめる。
 次に、「児のそら寝」を音読する。私が読んで、表記と違うところにカタカタの読みを書き入れさせる。その後、歴史的仮名遣いの読み方を教え、生徒に音読練習をさせる。私は音読練習を半端じゃなくさせる。まずは私の後に続いて少しずつ一斉に音読させる。次には個人練習。1人で2回読ませる。次に隣同士で向かい合わせ、一方が読み、もう一方がチェックをする。終わったら交代。次は、全員を起立させ、早く正確に読むゲームをする。途中でつっかえたら最初に戻るというルールで、誰が一番早く読み終えるか競争させた。といっても、つかえずに読み終えるためには「ゆっくり」読むのだよ、と強調することを忘れずにね。ここまでして、ようやく全員で一斉に音読させる。いやはや、最初の一斉音読の数倍の音量で、早く正確に読むことができた。立派なものだ。
 最後に、本文を読ませて、児が心の中で言っている部分、心内語を探させる。そのために、心内語を見分ける方法をとして引用の格助詞に注意することを教え、その後、生徒にやらせる。だいたい終わったら、先ほど音読練習をした相手と結果を確認させる。そして私が箇所を指摘した。とにかく仲間とやること、確認することで自分の考えが間違っていないかという不安を軽減させること、これをやらせようと思っている。