『ワールド・カフェをやろう!』

ワールド・カフェをやろう

ワールド・カフェをやろう

 最初は早稲田大学の向後千春先生のblogで知った「ワールド・カフェ」である。なかなか良さそうな会議・研修の方法だと思っていたが、その後、『ワールド・カフェ』の翻訳者であるお二人による解説本が出たことを「ライティング・ワークショップ」のMLで知った。それがこの本である。来年度の国語の授業に参考になることがあるかと思い、購入した。
 これはなかなか良さそうである。ワールド・カフェとは、次のようにして行う。

  1. 4人1組のグループを作る。
  2. 提示された問いについて、話し合う。
  3. その中の1人を残し、3人は旅人となって他のテーブルに行って話し合いを続ける。その際、残った1人は前に話し合われた内容を紹介する。新たな3人は自分たちが話してきた内容を紹介しながら、つながりを確認し、新たに付け加えていく。これを「他家受粉」で例えている。
  4. 再び最初のテーブルに戻り、旅人となった3人と残った1人とが新たに得てきたアイディアを紹介しつつ、つながりを考え、気づきを確認する。これを「ハーベスト(収穫)」と例えている。
  5. 最後に、各テーブルでのまとめを発表し合い、全体でふり返りをする。

 この際に、テーブルに模造紙を置いておき、そこに気づいたアイディアを自由に書き込むのである。また、軽くお菓子などを用意しておき、まさに「カフェ」でおしゃべりをしている気持ちで問いについて考えるのである。
 これは良いよね。確かにメンバーの合意形成は雑談から始まることが多い。私も、現在の学年ではメンバーと大いに雑談をした。私にしては珍しいくらいに雑談に花を咲かせ、親睦を深めるとともに合意を形成し、また次のステップへとつなげていった。雑談ができる、という関係は非常に重要だ。私はこの本を読んで、それをヒントに教務室の机の配置を変えるという新3学年の提案に賛成したくらいだ。
 私としては、授業における「ふり返り」の重要さの観点から、この本のいくつかから示唆を得た。そして、ふり返りの手法としていくつかのヒントを得た。この本は、実際のワールド・カフェの様子を多く紹介してくれているので、その点で大変参考になる。
 良い本だ。これはやはり、大元の『ワールド・カフェ』を読まなくちゃいかんかなぁ。こうした、コラボレーションの手法やダイアログの手法、またファシリテーションの手法について理解を深めるべきである。そのあたりから、新しい授業の進め方が見えてくる気がする。