『学び合い』研究会に参加

 今日の午前中、上越教育大学新潟サテライトで行われた『学び合い』研究会に参加した。私が関わっている研究会といえば、これが唯一のものである。地方都市にいるとなかなか研究会に参加する機会に恵まれない。そもそも、教育系の大学に行ったことのない私であるので、そうした研究会に関わるチャンスすらないわけだ。そうした意味でも、この研究会は貴重である。
 さて、今日は村松小学校の星先生による実践発表と、上越教育大学の水落先生の実践発表が行われた。村松小学校は学校をあげて『学び合い』に取り組んでおり、その中でも星先生は次々にアイデア満載の授業を展開していて、大変参考になる。

 研究会はこのように、実際の授業風景をビデオで見ながら、参加者が思い思いにつぶやく、という形で行われた。同時に、この様子をWebカメラでインターネットへ公開すると共に、twitterでつぶやきを常時視聴者とやりとりする、ということも加わった。臨場感のある、面白い研究会だ。
 星先生の授業は、細かいところで非常に工夫されていて、子どもの学習活動をうまい具合に促進させる素晴らしい授業だった。こうした授業を、ぜひうちの子どもたちに設けさせたいなぁ。
 個人的に学んだことは、「授業者からの制約をなくして子どもにどんどん任せていくことによって、子どもはその条件を活用して学びを広げていく」ということだ。私が時折行うグループ学習も、もっと制約をなくして到達目標だけを示して、生徒たちに全部任せてしまうと良いのかもしれない。もちろん、そのためには段階的にそうした学習環境に慣れさせる工夫が必要だけれどね。

 続いては水落先生の発表である。ご自身が小学校で担任をしておられた時のビデオを紹介いただいて、学び合いの授業の姿を示してくださった。これは、星先生の授業とはうってかわって、比較的静かで、またさらに雑然とした授業風景であった。もっともこれは、特別支援教育の研究のために撮影された授業であるのだけれど。
 さて、この授業で私が学んだことは、「子どもたちに何か活動をさせる際には、教員の側で事前に評価規準を持っていなければならない」ということだ。先生は、小学校の宣伝パンフレットを作る、という課題をさせていた。そして、そのパンフレットを子どもたちが作った後、それを評価する評価規準を子どもたちに決めさせる、という授業をしていた。そして、子どもたちが評価規準を定めた後、パンフレットを一人一人が実際に作成し、その作品を自分たちが定めた評価規準によって評価する、ということをさせていた。そして、子どもたち自らが作品を評価する際に、評価規準そのものもまた見直していくということである。その過程を探ることが先生の博士論文のテーマだったそうだ。
 その話題の中で、私も生徒にマップによる文章構成図などいろいろ作品を作らせているが、それを評価規準に基づいて評価する、ということはしていなかったなぁ、と気づかされたのだ。もちろん、課題を与える際には「こんなものを作って欲しいなぁ」という漠然としたイメージはある。しかし、大抵の場合はその段階のままで授業を行ってしまい、結果、生徒たちの作品の素晴らしさに目を見張る、ということになる。そして、その評価は私がするのではなく、生徒たちに回覧させることによって相互評価をさせようとする。だが、その相互評価は結局は私と同じ「これはすごいね」という驚きのみで終わってしまい、どこがよいのか、どこが足りないのか、という次につながる評価がなされていないのだ。うーむ、これは基本的なことを忘れていたなぁ。
 生徒に作業をやらせるのならば、その評価をきちんとしてやらないと単なる作業だけになってしまう。その作業がいくら面白くて意味深くても、評価してフィードバックしてやらなければ単なるお祭り騒ぎである。今更ながら、評価の大切さを何となく身をもって理解することができた。
 今日の研究会は、以上の意味で非常に私にとっては実り多いものとなった。やはり参加して良かったね。