DVD『砂時計』

砂時計 スタンダード・エディション [DVD]

砂時計 スタンダード・エディション [DVD]

 日本文理高校が準優勝したという快挙のために、変な所で便乗商売が行われていた。某レンタルビデオ店が旧作を105円で貸し出していたのである。それに勇気を得て、YouTubeを観ていた折りに見つけたこの映画のDVDを借りて、ようやく今日観ることができた。
 同名の大ヒットコミックの映画版である。数年前にはテレビドラマにもなったそうな。ドラマの方はちっとも知らなかったが、この映画の方はYouTubeを観ている限りなかなか良さそうであった。そこで、期待して観たのである。原作のコミックは面白そうなんだけれど、あの絵が私にはあまり合わない。その点、この映画版は安心して観ることができる。
 杏に対する母親の影がなかなか不気味で、よい映像表現であった。母親のトラウマを杏がかなり引きずっているというのがよく分かった。それにしても、少女時代の杏と成年時代の杏とが後半ではかなりめまぐるしく交代して、ストーリー展開を理解していくのに少々苦労する所があった。また、長編コミックを2時間強の映画に収めるためか、話の展開がやや拙速に感じた。
 まあそれでも、期待通りに泣けるラブストーリーである。トラウマを抱え込んで一人で生きていこうとする杏と、そのために辛い別れを押しつけられた大悟。そのあたりの描写が丁寧である。
 ともあれ、成年時代の杏の部屋にも飾られている少女時代の杏たちのスナップ写真の何と生き生きとしていることか。ありゃ、地だね。