1石レフレックスラジオ製作記(息子)

 息子のラジオ製作である。まだまだ彼のラジオ製作は暗中模索の状態である。昨日書いたように部品をどのように調達しようか、全く予定が立たない。ネットで調べようか……と思っていたところ、地元のショッピングセンターで「夏休み子ども工作教室」をやっており、その中に「ラジオ製作」があることと思いだした。ひとまずこれに参加させて、ラジオ製作をまずは実体験させようか、と思い、事故のため大渋滞の新新バイパスを何とかやり抜けて、亀田ア○タへ行った。
 先着20名だということで、もう3時間前から出発し、昼食もここで調達して、会場前に陣取った。幸い、先着20名の中に入ることができた。さらに待つこと1時間。いよいよ「ラジオ製作」の開始である。B○N主催の催し物で、担当の方と大学生が2人アルバイトできていた。なるほど、こういうアルバイトはいいね。工学部だろうが、なかなか人当たりのよい好青年だった。格好は今風だったが。
 さて、製作することになったのは「1石レフレックスラジオ」というものである。これは……、うう、ラジオ少年の胸がうずく。つい説明したくなるのを「ぐっ」と抑えよう。トランジスタを1個のみ使うが、高周波増幅と低周波増幅の両方を行わせるというなかなか効率の良いものである。今回、付属していた資料の説明を読んで、回路の各部品の役割が非常によく分かった。やっぱりやってみなければ分からないね。我々が息子に作らせようと思っていたのは低周波増幅だけをさせるものだから、今回のものはより複雑なものである。まあ、たかがしれているけれど。
 午後2時、製作開始。何しろ息子がこれから自分のラジオを作るための前哨戦なので、できるだけ私はアドバイスせず、息子に任せる。彼は小4の時にLEDを使った信号機を作っており、その時にハンダ付けは私も舌を巻くほどの仕上がりができたので、大丈夫だろうと思っていた。しかし、意外や意外、苦戦している。何をそんなに苦戦しているのかと観察していたところ、最大の理由は深爪によって手先の細かい仕事がしにくくなっていることだ。彼は私に似て爪の先端が奥まっている。それを、彼はさらに極端に深爪していたので、手先に力が入らないのだ。また、爪先で部品を抑えるとかリード線の皮膜をむくとかといった作業がいちいち時間がかかる。それと、彼の特徴である注意散漫と自信のなさなどなどが関連し、非常に作業が遅い。結局、彼自身の興味に基づく作業ではないのだろうね。私が言うから付いて来たという程度で、自分自身の興味に基づいているものではないから、いちいち私に作業の進行を確認する。作り方はマニュアルに示してあるので、それに沿って進めていけばよいのだろうに。うーむ、これは前途多難だなぁ。
 悪戦苦闘すること2時間、何とか配線やハンダ付けが終わり、仕上がりの確認をさせたところ、どうやらうまく動作しているようだ。やれやれ。彼も疲れたろうが、側で見ていた私はおそらくもっと疲れた。
 ついでに、別に販売していた1石ストレートラジオ(低周波増幅のみをさせるもの)のキットも購入した。これをそのまま製作するのではなく、部品を調達することで彼の意図しているラジオを製作できるのではないかなぁ。一つ一つ部品をネット通販で手に入れるのも面白いが、何しろ時間がかかる。こうした方向で息子の初のラジオ製作を進めていきたいものだ。