ロッカー移動

 本校ではこの時期に生徒個人が使っているロッカーを新学年の教室に移動させる。これがなかなかの一大イベントである。大清掃のあと、廊下に設置してあるロッカーを外して生徒に待機させ、放送の指示でロッカーを新しい学年の教室に移動させる。もちろん新クラスはまだ発表していないから、今のクラスナンバーの教室にまずは運び入れるのである。4月の始業日に今度は新クラスへ運んでいく。手間がかかるが、まあ仕方あるまい。鍵だけを受け渡して中身だけ移動させるという方法も考えられなくもないが、鍵の受け渡しが完全にできるかどうか問題であるしね。
 こうして今年1年使った2年7組の教室とお別れする。お世話になりました。次に入っていった3年7組の教室は、不使用教室を選択教室にしている関係で、2年前の学年の時の3年8組の教室である。いやぁ、不思議だった。教室に入ったとたん、2年前の学年のことがフラッシュバックしてきた。この教室、この教壇、この窓から見える景色、それらの複合的な雰囲気が強烈に2年前を思い出させたのだ。場所の記憶というのはすごいものなのだね。この教室で、我が3年8組の生徒たちと一緒に学び、笑い、最後には泣いた。あの記憶が一挙によみがえってきた。
 また3年生の1年間が始まる。身が引き締まる思いである。同時に楽しみでもある。今度はどんな1年が待っているのだろう。どんな記憶を僕に与えてくれるのだろう。明日はこの学年の終業日だが、現クラスとの別れは寂しくもあるが、来年度が楽しみでもある。少々複雑な時である。