『素数の音楽』

素数の音楽 (新潮クレスト・ブックス)

素数の音楽 (新潮クレスト・ブックス)

 実はこの本は3年前にほとんど読み終えていた。3年前とは前回担任した学年で修学旅行に行った時である。その帰りの列車の中でずっと読み続けていたものである。そして最後の1章くらいを残すところで新潟に着いてしまったので、その後なかなか読み続けられなかったものだ。でも、とても素晴らしい内容のものなので気になっていた。今日、残りを一気に読み上げた。
 素数に関するリーマン予想の説明と、それに挑戦した数学者たちのさまざまなドラマが描かれた本である。リーマン予想という世紀の難問題に多くの優秀な数学者たちが挑み、それぞれの成果を上げる者もいたり、中には気がふれてしまった者もいたり、さまざまなドラマが生き生きとした筆致で描かれている。大変に面白い本である。
 改めて全体を読み直そうかとも思わせられた、非常によい本だ。こうした本を高校生が読むと、数学に対する興味が深まるのだろうなぁ。