『できそこないの男たち』

できそこないの男たち (光文社新書)

できそこないの男たち (光文社新書)

 福岡伸一本の第4弾。最近は福岡氏の著作を集中して読んでいる。疲れた頭には実にいい。心地よい文体と興味深い内容を提供してくれる。この本からも、来週にお話をする内容のヒントをもらったりした。読書はどこで効用があるか分からない。
 性決定遺伝子の発見のドラマ、生殖器の発生の知見から、「男は男に生まれるのではない、男は男になるのだ」とボーヴォワールの言葉をもじって男という性の意味を考えていく。そして、後半は生物学的な裏付けのある話だけでなく、氏の独自の仮説を踏まえた思考が見られる。
 これまた文句なしに面白い。大変に満足感のある読了感だった。