書道部で書を書く

 書道部だから当たり前だが、書を書いた。今日が合宿最終日なので、少しは書道らしいことをせねばと思い、午前中は書道室に行って部員に混じって書を書いた。
 書いたのは李白の「孟浩念送行江陵」の詩。七言絶句である。この詩は、私が高校生の時に漢詩を習って、最初に印象に残ったものだ。特に転・結句の「孤帆遠影碧空尽 唯見長江天際流」が、情景が頭にパーッと広がって、広い長江が水平線の彼方に消えるところに一艘の帆船が浮かんでいる様子がまざまざと浮かんできたのだ。それ以来、李白は私のお好みの詩人である。
 彼の詩をいつか書きたいと思っていたし、一昨日に会津八一記念館に行って、八一も李白の詩を書いていたことを知り(遅くてすみません……)、今年は「お習字」ではなく、自分の書きたいものを書こう! と思ったのだ。昨年はまずは筆や字を書くことに慣れることを最大の目標にしていたが、今年は自分の書きたいものを自分らしく書こうと思っていた。
 全紙と呼ばれる大きな紙に七言絶句の二十八文字すべてを書く。いや、本当に筆を自分の思い通りに扱うというのは難しいことだ。力のいれ加減、筆の流れる方向の加減一つを変えるだけで字は自分の思っていたものとは違う字になってしまう。むちゃくちゃにバランスの悪い、へたくそな字になってしまった。それでもめげずに3回練習をした。それでも、エアコン無しの5階という条件下ではあるが、汗びっしょりになって書いていた。3回目も失敗したのだが、それでも自分としては少し思い切り書けた、良い字になったかなと思う。いやぁ、まだまだ修行が足りぬ。今年も良い経験をさせてもらった。やっぱり少しずつ書く練習をしようかな。
 午後からは2つの会議があるので、書道部の活動はこれで終わり。生徒諸君はご苦労様でした。暑い中、よく頑張れた。さすがは体力のある高校生である。