書道部の拓本取り

 書道部は昨日から合宿中である。今日は市内にいくつかある会津八一の石碑の拓本取りに出かけた。
 当初は午後からだと聞いていたので、午前中は字を練習しようかな〜、などと考えていた。ところが学校に来てみると、9時に出発するという。ええ〜っ、聞いてないよ〜(古い!)と思った。まったく、書道部は昨年も活動の日程がよく分からないまま、こちらに協力を要請するので困る。まあ、私は日頃まったく顔を出さないので、そういう扱いをされるのは当然かなとも思うが、それにしてもせめて合宿3日間の日程・予定くらい事前に教えて欲しいなぁ。
 というわけで、ドタバタと準備をして拓本取りに出かける。3台の車に生徒を分乗させて出発。まずは会津八一記念館へ。ここは本校から5分もあれば到着する、非常に身近で、だからこそあまり訪れない場所だ。私は過去に1回だけ行った記憶がある。今回は「八一が見たラストエンペラーの至宝」という特別展示点をやっていた。普段は見られない八一の書が多く展示されていた。若くてイケメンの学芸員さんの解説を聞きながら、1時間半くらい見て回る。広い場所ではないのですよ。おおよそ40畳くらいの広い広間1室のみの展示室である。そこに壁沿いにぐるりと展示されているだけ。その学芸員さんの解説がなかなか詳細で、非常に興味深く飽きさせなかった。ただ、私の場合は体力がもたない。半分くらいは付き合って一緒に回っていたが、途中で座らせてもらった。でも、非常に興味深い展示と解説だった。会津八一の素晴らしさが少し理解できた気がした。
 一度学校に戻る。その間に生徒は、近くの松林にある八一の石碑2つの拓本取りをしていた。再び記念館へ。そこで食事を取らせてもらい、次は瑞光寺へ。ここには八一の墓と石碑がある。ここに生徒を数名残して、今度は県立図書館へ。ここの庭には八一の石碑が1つ、そして良寛の大きな石碑が1つある。その2つを生徒たちが手分けして拓本取りしているのを眺める。拓本取りというのもなかなかに興味深い。石碑に和紙をあて、霧吹きで水をかけて和紙を密着させ、少し乾いた後でタンポで墨を押しつけていく。上手にやるととてもきれいな作品ができる。しかし、和紙を密着させるのが難しい。屋外なので風であおられて、しばしば紙にしわが寄る。また、タンポで墨を付けるのも、生徒がやるとタンポの跡が残ったりする。見ていて飽きない作業だ。ところが、何しろ新潟は雨上がりの日差しが照りつける午後で、暑くて暑くてかなわない。時折涼しい風が吹くが、体力のない私にはかなり厳しい条件である。2時30分から始めて、結局5時過ぎまでやっていたろうか。私はすっかり参ってしまった。
 それでも、車で移動する車内ではジブリのアニメの話題で生徒たちと少し話をすることができ、なかなか楽しい時間だった。ちょっと素敵な1日だった。ただ、疲れ果てた。