テスト返し

 9組での授業。このクラスでは、テストを返した後の私の解説では物足りなかったのか、生徒がぱらぱらと集まってきて自分の解答の是非を問うてきた。私は、もちろん採点基準を最優先にするが、その範囲内であれば、論理の通った生徒の主張は認めるようにしている。今回も私のところに来た生徒の大半が多少の加点を得ていた。
 まあ、彼らはほぼ分かっているのだよ。問題はそれを相手に確実に伝える技術の有無なのだね。テストというのは対話とは違う。よって授業とも違う。授業では、発問に対する答えは生徒とのやりとりの中で発展させられたり、修正できたり、生徒の言わんとすることを慮ったりできる。しかしテストは一発勝負の場である。そこでは自らが書き記した文章表現が解答のすべてである。「これはこういうつもりだったんだ」と後から聞かされても、その内容が解答として表現されていなければ「0」に等しい。したがってテストを解くということは、優れて文章表現力が問われている、ということである。
 今日も何人かはそのレベルで主張を却下した。テストは書かれたものがすべて。覚えるべし。
 ということで、他の生徒には「死にたまふ母」のプリントを答えさせていたのだが、十分説明しないまま時間が終わってしまった。まあ、ノーヒントで解くというのが今回の肝心な点だからね。