論語の授業

 1組での授業。「子貢問政」の文章と「葉公語孔子曰」の文章を読む。
 「子貢」の話は、孔子が、政治における要点を3つ挙げ、さらに最も欠くべからざるものとして「人民の信頼の心」を挙げる。ここに孔子らしさが如実に表れる。そこで、孔子の考え方によれば、国を良くするにはどうしたらよいか、と生徒に問う。その答えから、孔子の「徳治主義」の考えをまとめる。さらに、これとは対照的な法家である韓非子の考えを紹介し、それによる国づくりの方法についても考えさせる。これを行っておくと、次の「葉公」の話がよくつながってくる。
 「葉公」は正直についての話、と言うよりは「公と私との対立」の話だ。父の罪を役所に訴え出た「窮」。親子の罪をお互いにかばい合うという孔子の村の人。どちらが正直者なのか、と生徒に問う。当然生徒は「窮」の方を正直者と答える。私もそう思う。ただ、今回いろいろ調べてみて、その訴えられた父が後に処刑された、と知ってからは、やはりこれは行き過ぎだと思うようになった。そのことを生徒に話し、そこから「公と私との対立」を孔子がどのように考え、そして今日の社会で法がどのように制定されているか、つまりは「法の精神」というやつはどのようなものなのか、生徒に話す。法学というのは、法律の解釈だけではなく、こうした「法の精神」を理解し、人間にとって法とは何なのか、どのような法があるべきなのかを考えるものでもあることを知って欲しいなぁ。
 ということで、論語の授業は、こちらが説明する場面が多いけれど、充実している。