「再話」の授業

 8組での今年最後の授業。今年最後なので、あまり「マルジャーナの知恵」に深入りしてもどうせ途中で年を越してしまうし、どうしたらよいか悩んでいた。その結果、2部構成にして、最初は「再話」をしようと考えた。「再話」は文章を書くことの抵抗感をなくすし、集中力と論理的構成力とが養われる活動である。
 使用した教材は下記のもの。この中から、「ネギをうえた人」という話を読んだ。

ネギをうえた人―朝鮮民話選 (岩波少年文庫)

ネギをうえた人―朝鮮民話選 (岩波少年文庫)

 やり方は以下の通り。なお、この再話は、三森ゆりか先生の本から使わせていただいたものである。三森先生からは、センター時代にお世話になった。本当にありがとうございます。

  1. お話を1回目に読む。これは、お話の内容をまずは知ってもらうためのもの。
  2. お話を2回目に読む。これは、内容のメモをとらせるためのもの。したがって、1回目よりは多少ゆっくり読む。
  3. 生徒に、自分のとったメモを頼りにお話しを再現させる。できるだけ正確に再現するように、と指示する。
  4. だいたいの生徒が終わった後、隣の者と交換して、コメントをつけさせる。その際、建設的な意見を書くこと。そして、主語がちゃんと入っているか確認することを指示する。

 実際に行った結果は、この「ネギをうえた人」が意外に長いもので、1000字の原稿用紙を用意したのだが、足りなくなる者が続出した。そのため、思ったより時間がかかり、ほぼ1時間全てを費やした。まあ、それ自体はよい。それだけの価値のある作業である。ただ、「マルジャーナの知恵」についてほとんど触れられなかったのは誤算であった。せっかく自前のマップを印刷して、これを元に説明をしようと思っていたのだが。
 再話は非常に効果的な訓練方法である。ただし、けっこう時間がかかる。3年前にやった時もそうだった。このことは十分記憶しておくべきである。