まだ寂しいよ

 今日の勤務を終え、かなり疲れているせいだろうか、帰る時に深い哀しみに捕らわれてしまった。それは、「本当に卒業生たちがこの学校からいなくなってしまったのだなぁ」というものである。我ながら驚くが、未だに卒業生たちがいなくなったことを哀しむ思いが自分の中に厳然として存在する。もちろん、3月あたりの深い哀しみの感情は薄れた。彼らがいないことを当然のことと受け入れている。それでも、彼らがいないことが時々深い哀しみとなって心によみがえる。今の1年生たちも私の愛するものだが、私はまだ卒業生たちを愛しているのだなぁ、と再確認してしまった。
 そうか、だから夏休み中に卒業生たちが来てくれた時、私は彼らがいることに違和感を感じなかったのか。そして、もっともっと話していたいと思ったのか。
 全く困った私である。でも、それで良いと思っている。何しろ彼らは、私にとっては共に3年間を戦い抜いた「戦友」だから。5年間学校現場を離れ、久しぶりに現場に戻ってきた私が、その感覚を必死で取り戻そうともがき、また自分自身の授業を改革しようとして挑戦し続けた、その相手だから。そんな人々は紛れもなく「彼ら」しかいない。私にとって特別な存在であるのは当たり前だ。
 そんな君たちを、まだ懐かしがったって、いいでしょ?