説話の授業

 今日は授業はこの9組の1つだけ。1つだけの日があったり、金曜日は3つあったりして、なかなか均等には行かないものだ。
 今日は前回の「尼、地蔵を見奉ること」の冒頭で終わっていたところから口語訳の再開である。教科書で4行くらい進めたかな。というのも、この文章は1年生の最初に扱う教材としては恐ろしくヘビーなのである。明治書院さん。いくら何でも、ちょっと重すぎないかい!?
 分量は教科書で20行程度なのだが、その中に敬語(尊敬・謙譲、本動詞・補助動詞)、係り結び、接続助詞「ば」、同格の格助詞「の」、「居る」の補助動詞用法などなどがこれでもかっ、とばかり満載されている。文法事項としては動詞の活用を教えるのが精一杯の段階なのだが、他にこれだけの重要文法事項がてんこ盛りになっている。もう、1年生で教えるべき文法事項の90%くらいが詰まっているよね。
 仕方がないので、上記の事項は全てこちらが教えてやらなければとうてい理解できない。しかし、これらの紹介だけでも恐ろしく時間がかかるし、生徒がこれらを消化しきれるのか心配だ。まあ、その代わりこの文章1つでいくらでも試験問題が作れるけれどね。


 私はこの教科書の選定には関わっていない。でも、この教科書かS出版の新しい教科書のどちらかがいいなとは思っていた。よって、この教科書で教えることにはまあ異論はない。それでもこのてんこ盛りはちょっと食傷する。その点S出版の教科書は、最初の教材が「児のそら寝」ではないこと、2番目の教材が今の教科書と同じくらいの長めであるものの、敬語は使われていない文章であること、などなどを見ると、新規参入ながらよく考えられているな、と思う。うーん、自分が選定していたらS出版の方にしたかなぁ〜。
 教科書の選定はなかなか難しい。明治書院は定評のある出版社だし、安定感がある。新規参入の方はやはりどうしても二の足を踏む。しかし、いいものは積極的に取り入れていくべきだなぁ。それが生徒のためにもなることだ。