『アメリカの表現教育のコンピュータ』

アメリカの表現教育とコンピュータ―小・中・高・大学の教育事情

アメリカの表現教育とコンピュータ―小・中・高・大学の教育事情

 著者である入部明子先生から献本された本。私の修士論文にも参照させていただいたが、その時は一部分だった。今回、改めて最後まで読んで、大いに参考になった。
 アメリカの作文教育におけるプロセス重視のこと、それが小・中・高校・大学と継続的・発展的につながっていること、それらの過程においてコンピュータが大いに活用されていることなどについて大いに知見を得た。
 グループの共同作業による表現活動については大変興味深いのだが、それを日本において、しかも進学校の授業時数に余裕のない現場において、どのような形で実践できるのか。そのことが最大の課題である。良いことはわかっている。しかし、現場における制約は大きい。その制約内で、理念を活かしてどの程度に実践ができるか。これが、現場の実践者には求められている課題であろう。
 ともあれ、新年度を迎える前に一つの指針となる本であった。