進度の進んでいるクラスで志賀直哉の「壕端の住まい」に入る。
まず、志賀直哉についての文学史上の知識を整理させる。
次に本文全体をクラス全員で音読する。
次に各形式段落に段落番号を付ける。
そして、その番号を使って全体の構成を考えさせる。この小説は事件の展開部がどこまで続き、結末部がどこから始まるかが意見の分かれる所だ。鶏が捕られ、猫が捕らえられるという事件の推移を基準にする考えと、主人公の心理の推移を基準にする考えと、二つがある。生徒はどちらを採るか非常に興味深かった。生徒に答えさせたところ、見事に二つに分かれたので、授業としては面白くなった。私小説という形態から考えると、主人公の心理の推移を基準にした方がよいだろうと説明した。
できれば冒頭部の読み取りに入りたかったが、できなかった。全部で3時間の配当を考えているのだが、無理そうだな。