『これからの情報教育』

これからの情報教育―発信する子どもたちを育てる

これからの情報教育―発信する子どもたちを育てる

他の都合があったり、この本自体が大部なものであったせいで、読み終えるのに時間がかかった。
以前にも紹介したように、この本は1995年の出版である。したがって、今日の情報教育が進んでいった方向がこの本の中に源流として紹介されている点が重要なところである。
確かに今日の情報教育の流れはこの本の内容に沿ったものであるものが多い。しかし、例えば三宮真智子氏の「人間の情報処理と情報教育」の論文は、人間の情報処理に関するメタ認識能力を学校教育の過程で子どもに与えるべきであるという主張だが、この観点は今日あまり意識されているとは言えないのではないか。しかし、情報処理のメタ認識能力は重要なものであり、これを理解することで、例えばより効率の良い学習法や思考法を自ら試行することができる。文章作成能力や読解能力などにおいても、このメタ認識能力を知ることによって、より効率を上げることができるのではないか。