和田秀樹氏講演会に参加した

 最近、なかなか日記を更新できない。何しろ眠いのだ。近頃は長女に加えて次男までが私と一緒に寝たがるようになり、彼らを寝かしつけに21時30分頃床に入って電気を消すと、そのまま私も眠ってしまうことが多い。それなら朝早く起きようと思って目覚ましをかけるのだが、結局いつも通りの時間になってしまう。疲れがたまっているのかな。それとも、ただの怠惰かな。
 やるべきことはたまりまくっている。しかし、何から手をつけたらよいのか分からない。そこで、まず何に手を伸ばすかというと、GTDの解説だったりする。今は『「図解思考」の技術』という本を読んでいるが、この中にある時間管理、タスク管理の手法などを学んだりしている。ところが、いざその時間管理法を試してみようと思っても、それを行う時間がない。やれやれ。焦りばかりが募るという悪循環だ。最近は、朝起きるとこの「ああ、あれをやらなきゃ、これをやらなきゃ」という焦りが湧いてくる。精神の健康に悪いなぁ。

頭がよくなる「図解思考」の技術

頭がよくなる「図解思考」の技術

 さて、今日は新潟市朱鷺メッセ国際医療福祉大学主催の特別講演会、和田秀樹氏の講演会が行われたので参加してきた。私が日曜日にこの種の行事に参加するのは極めて珍しい。実は、この大学の新潟県担当の方が、私が県立教育センターにいた頃にお世話になった課長さんなのである。この方が高校を訪れた際、ぜひ来て欲しいとのことで参加することになった。ついでに2,3の同僚にも声をかけたところ、国語科でお一人参加してくださった。いやぁ、ありがたい。
 和田秀樹氏と言えば、受験指導の著作を多数出している当代売れっ子の一人である。この和田氏が国際医療福祉大学大学院の教授をしておられるそうな。それで、大学の宣伝とともに講演会を行ったわけだ。和田氏は他にも多数の講演をしているそうだ。大学による講演は年4回だけだとか。その1回が新潟市であったわけだ。
 講演の内容はまあ理解できるものであった。「高度情報化社会」に加えて、現代は「知識社会」であるという、ドラッカーを引用しての定義はなるほどと思わせられた。情報化社会の到来に伴い、様々な情報を瞬時に入手することは簡便にできるようになった。しかし、その知識をやはり頭の中に蓄えていないと、それらを比較検討して新しいアイディアを出したり、様々な場合に対応する問題解決能力を発揮することはできない。結局、現代は勉強した者が裕福になり、勉強しなかった者は貧乏になる、という社会なのだ、とのこと。これは、なるほどである。
 その後、PISAの結果などを持ち出して日本社会がいかに勉強しなくなったか、それは受験勉強を軽視したせいである、という主張に持っていった。方向性は理解できるが、PISAの結果比較として、何故アジア近隣に国々と比較するのかなぁ。アメリカやヨーロッパ諸国との比較を何故しないのか、不思議である。やや情報操作の意図が見える。したがって、子どもが勉強しなくなったから、という結論にはやや疑問が残る。
 そして、認知心理学を応用した記憶の定着理論を展開し、そこから自身の学習法を足早に説明していって終わりであった。「学力向上」を目指すような演題だったのだが、具体的な学力向上法はあまり紹介されなかった。自身の著作を読んで欲しい、ということだろうか。最初に副学長による大学紹介が意外に時間を食ったせいかな。
 講演が終わった後、和田氏を囲んで教育関係者(要は教員)との懇談会が1時間ほど行われ、参加した。私に声がかかったのはこの会に出席することだと言って良いだろう。声をかけてくださった方が方だけに、私によく知っている出席者が顔を並べた。お一人、中学校の先生が来ておられたのが新鮮だった。
 この会では、中学と高校での学習内容の差の大きさ、義務教育における基礎学力を鍛えることの不足、3年+3年ではなく6年間を見据えた教育課程の展開が必要なのに制度的に無駄が多いこと、などなど和田氏の、受験勉強的な学習の復権とそれを妨げている要因の指摘などが話し合われた。
 私としては、6年間の中等教育段階とその後の高等教育段階、さらには社会人として必要な学力の育成、それら全てを見通しての中等教育段階での学力向上の在り方について考えたかったなぁ。おそらく和田氏はそれらを見通した上で、初等・中等教育段階においては基礎学力をガンガンつけることが必要だ、ということなのではないかと思うが。やや、現場の愚痴的な内容になってしまったのが惜しい。
 ということで、珍しい日曜の午後でした。