進路講演会2本立て

今日は授業は何もなかった。それは、特編期間であったり、進路講演会があったりしたからだ。
進路講演会は文系と理系とに分けて行われた。それぞれおよそ90分間。講師はどちらも北海道大学の先生をお招きした。


文系の方は法学部の小名木明宏先生である。「『打ち損じたスナイパー』の刑法学」と題して、法学部での授業で扱う内容のさわりを紹介してくださった。具体的な事件の事例に対して、事件をどのように解釈し、法律をどのように当てはめていくかを、大変分かりやすく紹介してくださった。そして、大学の授業が高校のように答えの定まっている問題を扱うのではなく、正解のない問題を論理的に考察し、他人との議論を通して解決策を探っていくことを、分かりやすい例と親しみやすい口調で語りかけてくださった。予定よりやや早く終わったので、フロアとの質疑応答の時間が多くなった。生徒も積極的に発言し、教員も質問したりして、大変に有意義な時間を持てた。


理系は高等教育開発センターの鈴木誠先生である。「新潟高校2年生に望むこと」という、題名は何の変哲もないものだが、内容は素晴らしかった。以下のような内容で話された。

  1. 導入:正確な事実に基づいた思考の重要性
  2. フィンランドの教育と日本の教育との比較
  3. 北海道大学の教育の特長
  4. ご自身の一般教育科目の授業内容
  5. 新潟高校2年生に望むこと

2番目では、フィンランドで使われている教科書が紹介された。小学1年生から詳細で正確な図版が多用された教科書が紹介され、フィンランドの教育が実体験重視であることが紹介された。それに対して日本の教育は実体験が弱いことも指摘された。
次に、北海道大学ではそのような日本の教育の弱点を補うべく、カリキュラムが展開されていることが紹介された。特に、ご自身の授業では、蛙について学生が自主的に学び、実体験をし、自ら教材研究をして授業をすることが紹介された。
最後に生徒へのメッセージとして以下のことが示された。

  1. 体験・冒険・挫折のすすめ
  2. 熱中のすすめ
  3. 乱読のすすめ
  4. 国語や英語の読解力はすべての基本
  5. 理系こそ芸術的センスが必要
  6. 数学・物化生地は科学の基本

どれも大変に正鵠を付く内容で、非常に楽しく、参考になった。生徒も深く興味を喚起されたようだ。