小説の読みの再構築を対話で行わせたら……

 昨日は5組で今日の2クラスの次を終えた。つまり、第6段落・第7段落の読み取りを終え、その後で次の文章を書かせた。

  1. 山月記」の主題は何か。根拠を踏まえて考えを記せ。
  2. 李徴は幸福なのか、それとも不幸なのか。根拠を踏まえて考えを記せ。

 こうして授業での読み取りを終えた時点での生徒の読みをまとめさせようと考えた。
 だが、実はこれから考えてもらうべきことがある。例えば、李徴が変身したのが何故「虎」だったのか、ということや、彼がそれに向かってほえる「月」の持つ意味は、などはまだあえて説明していない。これらの意味を考えることは、今までの読みの方向性を大きく揺さぶる可能性を持っているからだ。
 そこで、次の時間は、これらの読みの方向性を大きく揺さぶる設問を与えて、「山月記」という小説に対する読みの再構築をさせようと考えている。その課題に対して、生徒同士の対話という手法はどんな意義を持つのか、どのような効果を上げるのかを探ってみたい。これが今回の私の研究となる。
 実は、この研究の方向性を編み出すのには大変に苦労した。研究への読みが甘く、対話という活動を授業に持ち込むタイミングをこの時点まで引き伸ばさざるを得なかった。本来は小説を読んでいく際に、もっと対話を持ち込んで、その読みの状況を観察すればよかった。だが、今回は通常の授業を行い、なおかつ対話の活動もやらせる、という方向を狙った。だが、こんなに本文の読みに時間がかかるとは思わなかったのだ。
 ともあれ、何らかの形で対話を取り入れてみたい。その結果を分析してみたい。