今日は「大福帳」day

 今日はひたすら「大福帳」に返事を書いていました。私は前期の授業のすべてに「大福帳」を使っています。大福帳とは早稲田大学の向後千春先生から教えていただいたもので、教員と学生一人一人とのコミュニケーション・ツールです。A4用紙裏表に、学生が授業の感想などを書く欄が全15回分あり、私は授業の終わりに今日の感想や意見、要望などを書かせています。これを読み、私の方からできるだけコメントを書き込みます。このようにして教員と学生とのコミュニケーションをはかろうというものです。同時に、全15回分のやりとりのすべてが残っていますので、学生は授業の振り返りができますし、私はこの大福帳を提出したことで出席とし、また平常点の資料としています。
 昨年は出講を持っていて授業が多かったので、大福帳にコメントを書くことがほとんどできませんでした。今年は出講が何もない、珍しい年です。私は、未熟者だというのに、1年目は1ヶ月間、2年目は1年間、出講として授業を持っていました。しかし、今年はその一切がありません。その分、少しは時間に余裕があるので、この大福帳へのコメントを丁寧にしていきたいと思います。
 今日は先週行った授業での大福帳約260人分を読んで、コメントを書いていました。時間がかかるだろうと予測していましたが、自分の予測以上に時間がかかりました。手書きでコメントをするのは久しぶりだからでしょうか。それともボールペンを使って書いたからでしょうか。昨年は万年筆を使ってコメントを書いていたのですが、インクがにじんで汚くなったので、ボールペンにしています。しかし、ボールペンはどうも手に余計な力がかかりますね。今ひとつ手書きをする喜びを味わうことができません。私は基本的には万年筆が好きで、万年筆での手書きをしたいところです。筆圧をかけなくてもするすると文字が浮かび上がってくるのはいいですね。大福帳に使っている紙の質が良くないのかなぁ。万年筆のインクを上手く吸い込んでくれません。
 学生たちの書いてくれた内容は、なかなか私を勇気づけてくれます。2年生の授業では、たった1時間の内容なのに良く意図を汲み取って、自分なりに考察を深めています。4行しか書く欄がないのですが、それでも彼らの思考の痕はうかがえます。いいですね。1年生の授業では、自己紹介やら最初の気概、決意やらがよく表れていて、好ましいです。この気持ちを少しでも長く持ち続けて欲しいなと思います。
 大福帳は、教師がコメントを書くのが大変ですが、その大変さに見合うものを教師にも与えてくれます。学生一人一人の今現在の思いをこれほどダイレクトに伝えてくれるものはありません。やっぱりいいものだな、と再確認できます。