「山月記」の主題を問う授業

 昨日の5組での授業である。研究授業と位置づけ、今回の「山月記」の授業のメインとなる時間である。
 まず、前時に「山月記」の主題についてまとめさせる作業を行わせている。それを回収した。
 次に、小説の授業における生徒の態度についてアンケートを行った。これは生徒が小説の授業においてどんな読解方略を使っているか、またそれにどれだけ自覚的であるかを調べるためのものである。
 その後、小説全体を読み直して考えて欲しい設問を4つ書いたプリントを配った。それは以下の4問である。

  1. 李徴が発狂した「汝水」という地は、彼の発狂とどんな関連があるか。
  2. 腐敗した玄宗皇帝期の政府の「観察御史」である袁傪とはどんな人物か。
  3. そもそも李徴が変身したのは何故「虎」だったのか。
  4. 「月」はどんな意味を持っていたのか。

 これらを考えることによって、生徒たちの「山月記」におけるこれまでの学びをもう一度揺さぶり、これを通して「山月記」の主題について考えてまとめさせよう、というものである。
 これを、まずは個人作業で取り組ませ、その後で4人グループを組ませて話し合わせた。その後、4つの設問について私が解説をした。
 これらの作業を踏まえて、もう一度「山月記」の主題について各自でまとめてくるようにと指示した。
 私の注目点としては、この「山月記」の主題についてのまとめが、最初のものと後のものとでどう変化するか、という点である。さらに、それにグループでの読みの交流がどのように働いているか、という点である。これらを分析するのが今回の授業の目的である。そこから、できれば読みの交流における特徴と改善への視点を得たいと考えている。
 今はとりあえずのデータを得て、分析中である。どうなる事やら。