娘の入学式

 今日は私の娘の小学校への入学式があった。普段ならこうした行事にはあまり参加しない私ではあるが、何しろ今回は乳飲み子がいるので、家内にすべて任すわけにはいかない。そのために私が娘と一緒に行って、後で家内とバトンタッチすることになった。
 小さなスーツに身を包んだ娘は、やはりどこかしら華やかである。私の願いの一つは娘を持つことだったが、それが祝福によりかなえられ、さらにこうして娘と手をつないで通学路を歩いていく。幸せとは実にこういうことを言うのだ、と思う。このささやかでも、確実な幸せが、奪われてしまった多くの人々の悲しみを悼む。
 さて、まずは1年生の教室に行く。そこには小さな机が21台並べられているとともに、たくさんの絵本を中心とした本が置いてあった。やはり、こうでなくては。図書館へも行かせるのだろうが、教室内に本があるのはよいことだ。6年生がエスコートしてくれ、さらに待っている間に絵本の読み聞かせもしてくれていた。なかなかやるじゃない。
 式は、その6年生が1年生一人一人の手をつないで会場に連れてきてくれ、壇上で一人一人を紹介してくれた。21名という少なさがなせるわざであるが、それにしても心温まる演出である。それに比べて、校長の式辞はそれなりによかったが、来賓紹介で10名以上の来賓一人一人が一言述べたり、中にはしばらく演説をぶったりしたのには閉口した。そして、歌を歌う時の在校生の統制された姿にもあまりよい印象は持たなかった。教員が壇上で指揮棒を構えると、在校生は「さっ」と体を中央に向けたのだ。うーむ、調教されているな、という印象を受けてしまった。小学校だから仕方ないのかなぁ。
 式が終わり、記念撮影をして、家内と交替する。なかなか興味深い、初の小学校行事参加であった。