さあ、作歌の番だ!

 6組での授業。年末に続いて斎藤茂吉の短歌を皆で解釈する。進め方は今までと同じ。大きく板書し、生徒が見つけた発見や疑問を聞いていって書き込み、次に主題を示して、その根拠を考えさせる。
 この歌の主題は、「死にたまふ母」という連作全体を紹介するに限る。そこで、生徒には「其の二」に当たる部分の十数首をプリントして配布し、私は「其の一」の内容も踏まえて、これが母の危篤の知らせを受けて、茂吉が故郷へひた走り、そしてついに母の臨終の時を迎えるものであることを示す。そして、扱っている歌はまさに母が亡くなった時のものであることを示す。よって、主題は「母昇天の悲しみ」とした。
 この、母が亡くなることの「悲しみ」をこの短歌はどのように表現しているかを生徒に考えさせ、答えさせた。まずは単純に「死にたまふなり」を挙げてくれた。そこで、それに「足乳根の母は」を加え、「足乳根の」という枕詞の、この漢字表記の意味について解説し、悲しみの表現の一つを示した。
 次に、「のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて」と「母」との関係について、生命力と死という対照性を指摘し、その対照性から来る悲しみの実感を示した。結局は私が説明することが多かったのだが、それでも主題を示して、その根拠を考えるという方向性は生徒に受け入れやすいのではないのかなぁ。
 これで短歌の解釈・鑑賞は終わり。次時はいよいよ生徒に短歌を作らせる活動を行う。6年ぶりの実践となる。さて、上手く行くかどうか、乞うご期待、である。