全日本教育工学研究協議会全国大会【上越大会】で発表してきました

 ここしばらくblogを更新できなかったのは、この大会の準備のためであった。先週の土曜日、本校ではNHK大越健介氏が母校で講演をしていた最中、私は上越に行って上記大会で発表してきた。
 この会は、上越教育大学の石野正彦先生の紹介で発表申し込みをし、そのためにずっと準備してきたものである。ここにおいて「Web掲示板を活用した読書レポートに対する考察 ー掲示板の利用状況から探る改善の視点についてー」と題して発表した。これはWeb掲示板を使った読書レポートの実践について、その掲示板の利用状況や生徒アンケートから今後の可能性と改善の視点について考察したものである。今まで、様々な場面においてこの実践を発表してきた。2年間にわたって実践したので、その途中での状況や一応終わってからの状況などをその都度発表した。今回は、その結果の分析と改善の方向性について考えたものである。これで、2年前のこの実践は完結したことになろう。
 やはりこうした学会での発表は良い。15分間という短い時間ではあるが、12分間にわたり発表し、さらに質問を受けた。また、全て終わってからまた意見をいただいた。以下の3点である。

  • 紙媒体で提出した生徒のレポートは、掲示板を活用した者と同様に交流する機会を設けたのか?
  • 実名でレポートを提出させたことによる、生徒の抵抗感はなかったのか?
  • かなり長い分量のレポートに対して、気軽にコメントをつけるのは抵抗感があったのではないか、もっとレポートを短くさせ、コメントも短くさせればよいのではないか?

 最初のものは確かにこの実践の弱い点である。紙媒体で提出した生徒にも交流の機会を与えるべきであった。そうでないと、意見交流を起こさせるという目的が中途半端になってしまう。
 2番目の指摘はこの実践において常につきまとうことであろう。だが、誹謗・中傷的な書き込みを防ぎ、学習指導の一環として行う上では、譲れない点である。
 3番目の指摘は「目から鱗」のものであった。確かに長い文章に対してはなかなか気軽に書き込みがしにくいだろう。ツイッターが代表するように、短いつぶやきに対しては短くすぐにコメントがつく。それが、長いレポートにコメントするには気構えてしまうのではないか、という指摘はなるほどと思えた。
 実は、自身の発表とともに、今回は私が発表した分科会の司会進行も頼まれてしまった。そこで、9人が行った発表の全てを聞きながら、司会進行も行った。しかし、おかげでICT利用におけるいろいろな現状を知ることができたし、私の研究におけるヒントもいただいた。JNK4の情報活用リストは確かに使えるかもしれない。
 午後からはパネルディスカッションに参加して、5人の先生方が繰り広げる議論を興味深く聴いていた。ツイッターのつぶやきが同時中継で映し出され、フロアからの意見の吸い取り方としてのトレンドな形を目の当たりにすることができた。
 いやぁ、有意義な1日だった。家族には迷惑をかけたが、私の研究には実に有意義であった。