特編A14日目

 今日は9組の1コマのみ。小説と古文の組み合わせの問題演習を行う。
 生徒の得点を集計してみると、やはり古文が弱いことがよく分かる。今回の問題は近世の随筆である。確かに、作者の視点でのみ話が展開する文章で、ストーリーがなく、他の登場人物とのダイナミックなやりとりがない。それでいて和歌の引用やら、和歌を踏まえた表現のやりとりなどがあり、形容詞の意味の取り方も文脈でもって判断していかなければならないものばかりだ。何しろ出だしがよく分からない。選択肢を見ることでようやく理解が進むほどである。これは難しいわ。
 でも、やはり基本の適用しかない。演習で自分に弱点を知り、それを補強する。少しでも補強する。古文単語をもう一度確認したり、識別の法則をもう一度確認したり、ただもうそれだけしかない。そして、次の問題演習をする。それしかなかろう。
 センター試験まであと1週間だ。いよいよここまで来たか、というところだ。生徒は不安に思っている者も多いだろう。なかなか思い通りに点数が上がらないだろうし、出来具合もあまり改善されない。しかし、考えてみると、それは3年前の生徒も同じような状態だったことを思い出す。彼らも、演習を始めた時に出来の良かった者はそのままずっと高得点を取り続けていたし、今ひとつの出来だった者はやはりそのままだった。1か月くらいではそう簡単に国語の力そのものが劇的に改善する、ということはないのだろう。
 では、何のための演習か? それはただ、問題の形式になれる、ということだ。センター試験の、あの80分にしては長い分量の文章と問題とを読み解き、解き続ける力。それは今まで経験してきた記述式問題を解くことや、定期考査問題を解くこととは全く違うことだ。別の力が必要とされる。速く、しかも正確に読む力である。そして、要点を見つけ出す力と、それを選択肢と照合する力である。それらを身につけ、高めるために、1か月という時間は確かに必要だ。
 何はともあれ、生徒の健闘を祈るばかりである。やれることしかできないのだよ。恐れず、ひるまずに、挑戦していけば良いのさ。