「柏木」の授業

 7組での授業。源氏が女三の宮に「なほあはれと思せ。」と言って、こじれた関係を修復しようと発言した際に、女三の宮が、自分は出家した上に、源氏に言われたようにもともと情愛をわきまえぬ人間だから、どう反応してよいか分からない、と皮肉る。ここは女三の宮の人間として成長を感じさせる場面だ。幼く、自意識が未発達であった彼女が、こうして源氏に皮肉の一つも言えるようにまで成長したのだから。しかし、おじさん源氏はさらに1枚上手で、情を交わしたこともあるくせにと、柏木との一件を匂わせて皮肉返しをするが。
 こうした、女房たちという第三者がいる前で水面下の心理戦の応酬をしている源氏と女三の宮の姿を、いろいろ補助解説を加えながら生徒に説明する。相変わらず私と妻との関係などを面白おかしく紹介して、こうした男女の間での心理戦を理解しやすくなるように説明した。本来はこれを生徒自身が考えつくように誘導すべきなのだろうけれどね。