「柏木」の授業

 7組での授業。昨日生徒が提出した解答を用いてプリントにし、それを全員で解決するために口語訳を進める。しかし、結局口語訳に時間がかかり、昨日の解答を検討する時間がなくなった。やれやれ。しかし、口語訳をする前に、最初の段落の敬語を手がかりにこの場面がどんな場面なのかを全員に考えさせた。敬語の敬意の対象は間違いなく理解できていたが、そこから場面を考えるのは難しかったようだ。
 教科書掲載の場面は、最初の段落に「大殿渡りたまひて」とあり、次の段落にも「院渡らせたまひて」とある。「渡る」という動詞が2箇所出てくる。しかし、2箇所目の方は他の女房たちが薫の五十日の祝いの準備をするかどうかと悩んでいるので、女房たちがいる場所に源氏が来たことが分かる。そうであるならば、最初の箇所は源氏が女三の宮のいる部屋(「寝殿」?)に来たのだ、ということが分かる。教科書の本文は、冒頭の段落とすぐ次の段落とで場面が違うのだ。女三の宮という新しい人物がいきなり出てくる文章で、これまたいきなり場面転換があるのは理解が難しいだろうなぁ。と思って、場面の設定を敬語を使って考えるということを少々時間をかけて行ってみた。