源氏物語「須磨」の授業

 7組と8組での授業。どちらも今日より源氏物語「須磨」の巻に入る。いやぁ、久しぶりの「須磨」だねぇ。須磨は、源氏の味わう寂しさ、悲しさはもちろんのことだが、その源氏と別れ別れになっている京の女人たちの悲しみについても考えさせたいところだ。
 さて、理系の生徒たちにとっては源氏物語は昨年の桐壺・若紫以来の久しぶりのことである。そこで、若紫から須磨に至るまでのあらすじをプリントを使って追いかけておく。その後で音読練習をし、口語訳へと入っていった。
 今回は久しぶりの本格的な古文なので、基本の確認をした。まず、敬語をチェックさせた。そして、重要な助動詞・助詞をこちらで指摘した。詳しい解説はせずに、箇所だけの指摘である。さらに重要古文単語も指摘した。特に文脈によって意味合いを変えるものを中心に、である。そして、これらのものが、全部は分からなくとも7、8割すらすらと言えるようになっているのが「古文解釈の基礎・基本」ができているということなのだ、と話した。本当の古文解釈はこれらの知識をもとに文脈をたどり、人物関係を理解して、登場人物たちの心情に迫っていくのだから、先に述べたことは本当に「基礎・基本」である。しかし、そう話した時、さすがに生徒たちは少々顔が引きつっていたけれどね。まあ、理系だから仕方ないが、7、8割は無理でも、せめて6割はすらすら言えて欲しいなぁ。
 さて、源氏物語が始まった。また楽しみな日々が続く。この須磨は、おそらく今月末の試験までには終わりきらないので、継続して10月以降も読み続けることになろう。その後は、古典講読の教科書から教材を持ってきて「御法」を読む。古典の授業では昨年と合わせて「紫の上」系列の物語を読み終わろう、という計画である。古典講読の授業では「玉鬘」系列を読み進めようとしているので、これならば同時期に源氏物語を扱ってもバッティングはすまい。