「自然の抑止力」の授業

 まずは昨日の授業メモを書こう。すごい授業が展開されたのだ(自分で言うか?)。
 1組での授業。今日はまず、前回配ったバラバラ問題をまとめるため、それぞれの問題ごとにグループを組ませる必要があった。そのため、今日も図書館で授業を行う。
 バラバラ問題は全6種類。その種類ごとにグループを組ませる。1つにつき5〜7人くらいのグループになった。ちょっと多い。それぞれの問題を検討するにはちょっと多すぎる。そこで、もう授業中に思いついたことだが、後半の流れを当初の予定と全く変えてしまった。
 前半は各グループで問題の解答を1つにまとめさせた。さて、この解答をどのように全体にシェアするか、である。問題の全体像は生徒には知らせていない。そこで、自分の担当する問題は他の生徒は知らないのである。この状況を利用して、「問題解答ショッピング」を行わせた。つまり、自分たちの解答を説明する者2名をそれぞれのグループから選び、その2名が図書館の1つの大きな机に座って、自分たちの解答を売る「お店」を開くのである。他の生徒たちは客となって、核問題の解答を「買い」に行く。そのようにしてクラス全体の交流が起こるようにし向けた。
 流れは以下の通り。

  1. グループの代表2名が図書館のコーナーの机に「お店」を開く。
    • 彼らは「店番」である。そして、自分たちの解答を「買い」に来たお客である生徒たちから質問を受けた時には答えなければならない。
  2. 他の生徒たちは「お客」となり、各お店に行って解答を買う。
    • お金は払いませんけれどね。何か、「お金」に相当するものを導入しても良かったかもしれない。
  3. 「店番」である代表2名は、時々交代して、自分たちも他のお店の解答を買いに行かせる

 このように、「ショッピング」のアナロジーを使うと何が起こるか? 実は私もそこまで考えていなかったのだが、生徒たちがこの言葉を使い始めた。そう、「クレーム」と「リコール」である。
 ある「お店」を訪れた生徒が、商品である解答に「クレーム」をつけた。「これは不十分なのではないか?」というわけである。それに対して店番をしていた代表はしばらく考え、「そうか、その通りだ」と、自分たちの解答の間違いを認めてしまったのである。そうすると、それまでこの解答を「買って」いった他の客に対して、いわば「リコール」をして「商品回収」を行わなければならない。これに、店番をしていた生徒は頭を抱えてしまったのである。(^_^)
 いやぁ、これは面白かった。私はそばでにこにこしながら見ているだけにした。だって、せっかく生徒たちが自分で「こりゃリコールしなくちゃ」などと言っているのだもの、これを邪魔しちゃいけない。
 結局、このお店は「商品回収」はしなかった。時間がなかったからだ。しかし、次の時間には「商品回収」をさせようかな。まずは「謝罪広告」からかな? (^_^)
 というわけで、「ショッピング」のアナロジーを使ったことで、思わぬ展開を見せて楽しい授業となった。最初は、大半の生徒たちは「お店」に行って解答を写しまくるだけだった。これは単に動き回るだけの授業になってしまったかな、と後悔していた矢先だった。いやぁ、生徒を動き回らせると何が飛び出すか分からない。面白い時間だった。