青陵祭!

 朝の5時頃に起きたところ、まさかの雨! しかもけっこうな降り方だった。そして、午前中には雷まで鳴った。こんな悪天候の中、我らの青陵祭は実施された!
 青陵祭の長い歴史の中、1,2を争う悪条件の日だったと思う。何しろ午前8時くらいまでしっかりした雨が降り続き、準備開始を1時間半遅らせてスタートした。午前9時に青陵祭は開会されたが、その後も断続的に雨が降る。午前中には雷が鳴ったので、生徒を一時校舎内に撤退させた。しかし、それから後が素晴らしかった。何と雨が上がり、晴れ間まで出てきて、午後はずっと晴れか曇りだった。午前中は最悪だったが午後からはうってかわった天気で、何はともあれ良かった。
 そのような困難な日ではあったが、逆にその困難があったからだろう、素晴らしく引き締まった青陵祭となった。午前8時、雨がまだ残る中でバックの取り付け作業が開始された。私も生徒一緒に桟敷の一番上に上り、バックを必死で支えて取り付けを手伝った。素晴らしいバック! 図案の頃からこれはすごいと思っていたが、完成作品を取り付けてみると、一段と映えて見える。素晴らしいバックに脱帽である。結果的にはバックで賞はもらえなかった。見る目がないんじゃないかい?
 ユニークな入場行進、そして連合長たちの宣誓。何度見ても体がぞくっとするほど感動する。今年は連合長たちが一人一人ユニークな自己紹介を交えて宣誓していた。いいね。連合長同士で相談し、練習していたんだね。本当に、大した連合長だ。彼らの努力は万雷の称賛に値する。
 競技は個人競技をカットして行われた。よって、午前中は2種目のみ。それでも途中の雷のために中断された。その後は午前の3分応戦合戦、そして午前の連合創造である。
 我らが1連合は午前中の最後である。彼らは「脱獄! Berak out」というテーマをひっさげて連合創造を作ってきた。いや、これは素晴らしかった。私の理想とする連合創造の大半が実現されていた。今までの連合創造は、衣装は自分たちの連合色を基調としたものを全員が着ていて、一応役割分担をしているのだが、それが衣装によっては見分けがつかない。ただ、踊りの種類とフィールド上の配置だけで表そうとしている。それでは分かりにくいのだ。そして、幹部たちとその他一般が分離され、幹部たちが必死に何かを踊り、一般はその後ろで訳の分からない踊りを踊っている、という形が多かった。今年の1連合はそうした点を完全に打破していた。
 まず、役割分担が見ていて明快である。囚人と刑務官と少女が出てくるが、それらがきちんと衣装によって弁別できる。そして、ちゃんと囚人と刑務官と少女とがそれぞれ集団で表現されている。幹部たちもそれぞれの役割の中に少しずつ入っていて、他のメンバーをリードしている。そして、その場面で不要な人物は、後ろに用意された大道具のレンガ壁の後ろに隠れて、舞台には今必要な人物だけが残っているのだ。これだよこれ! ある同僚は「ミュージカルみたいだった」と評していた。その通り、そうした演出こそが私の理想なのである。
 ストーリーはこうだ。囚人が刑務官の元で労働させられている。しかしある晩、囚人は脱走する。そして脱走して困窮している時、少女が彼らを助ける。脱走に気づいた刑務官が追跡を開始し、少女を捕まえてしまう。囚人たちは自らが捕らえられるのも顧みず少女を助けるために牢獄に戻り、刑務官たちと戦い、少女を助け、逃がす。再び捕らえられ、労働に励む囚人たちだが、その手には少女から受けた花がある。彼らは囚われの身ではあるが、心は自由なのだ! 最後には囚人たちだけが舞台に残り、その鼻を観客に示して終わる。うーん、素晴らしい! こうしてそのストーリーがありありと思いだせるし、書いていて感動を覚える。本当に素晴らしい連合創造だった。
 午後からはプログラム通りに進行できた。もはや雨は一粒も降らなかった。午後の3分応援合戦。1連合は前の幹部たちと桟敷の一般生徒たちとが最後に位置を交代する、というパフォーマンスを披露した。これはなかなか良かったね。
 今年の団体競技ではややラフなプレイが見られた。これは反省して欲しい点だ。昨年はこのようなラフプレイはほとんどなかった。勝つことだけが目的ではない。フェアに闘うことが目的のはずだ。それをもう一度確認しよう。
 最後に連合対抗リレーが行われ、青陵祭は終了した。何と我が1連合は、応援2位(だったっけ?)、連合創造1位(当然だろう)、そして総合2位(すごいね)の成績だった。いやぁ、ここまでやってくれるとは思わなかった。本当に、生徒の知恵と努力と協力の賜物である。素晴らしかった。もちろん1連合だけでなく、どの連合も、特にあんパンを取れなかった連合も、知恵を重ね、困難を乗り越えて努力し協力してきたことには全く変わりない。結果は確かに出てしまったが、その過程こそが青陵祭の与えてくれる最良のプレゼントである。すべての連合に、そして今年の青陵祭に、敬意と感謝を込めて、ありがとう! である。
 終わった後の連合長たちによるパフォーマンスも素晴らしかった。最後に連合長の卒業式を行う、ということで彼らが惜別の歌を歌い出した時、最初に各連合の幹部たちが、次に全生徒たちが、一斉にグラウンドに出てきて、連合長たちを囲んで輪になった。これも素晴らしかったね。彼らこそ「青陵健児」である。